こころの間
こころの間
お子さんと、心と体、生き方を家でいっしょに楽しみたい保護者の方へ。
江戸の寺子屋は、読み書きそろばんだけの場所ではありませんでした。どう生きるかという「こころ」の学びを、日本中の子どもが最初に身につけた——その教科書たちを、原文つき・現代語・完全版で建て直した書庫です。

実語教は千年読み継がれた
童子教は礼儀・口のきき方・友の選び方・親の恩
学問のすゝめは福澤諭吉の大ベストセラー
論語は二千五百年前の言行録
まず、この一句から
千年読み継がれた言葉の、いちばん有名な入口
平安
実語教
日本でいちばん長く使われた教科書。「学問の始め」と自ら名のる全三十九句は、知恵こそ財産・学びは一生、を千年かけて子どもたちに伝えてきました。
一山高きが故に貴からず
二人肥えたるが故に貴からず
三富は是れ一生の財
四智は是れ万代の財
五玉磨かざれば光無し
六人学ばざれば智無し
七倉の内の財は朽つること有り
八千両の金を積むと雖も
九兄弟は常に合わず
十財物は永く存せず
十一四大は日々に衰う
十二幼き時勤め学ばざれば
十三学文に時を怠ること勿れ
十四師に会うと雖も学ばざれば
十五習い読むと雖も復せざれば
十六君子は智者を愛す
十七富貴の家に入ると雖も
十八貧賎の門を出ずと雖も
十九父母は天地の如く
二十親族は譬えば葦の如し
二十一父母には朝夕に孝せよ
二十二友と交わりて諍う事勿れ
二十三人として智無き者は
二十四人として孝無き者は
二十五三学の友に交わらずんば
二十六八正道は広しと雖も
二十七老いたるを敬うは父母の如く
二十八我他人を敬えば
二十九己人の親を敬えば
三十己が身を達せんと欲する者は
三十一他人の愁いを見ては
三十二善を見ては速やかに行い
三十三悪を好む者は禍を招く
三十四善を修する者は福を承く
三十五富むと雖も貧しきを忘るること勿れ
三十六貴しと雖も賎しきを忘るること勿れ
三十七夫れ習い難く忘れ易きは
三十八但食有れば法有り
三十九故に末代の学者
鎌倉
童子教
実語教と一冊にとじられた「ふるまい」の教科書。礼儀、口のきき方、友の選び方、親の恩——全165対句(330句)を、章ごとに原文・書き下しつきで。
一貴人の前のふるまい第1対句〜第6対句
二つつしみの場所第7対句〜第11対句
三人なかの口のきき方第12対句〜第15対句
四勇と鈍、壁に耳第16対句〜第19対句
五舌は禍の根第20対句〜第25対句
六禍も福も、自分が招く第26対句〜第33対句
七前車の覆るは後車の誡め第34対句〜第39対句
八郷に入っては郷に従え第40対句〜第47対句
九生れながらに貴き者なし第48対句〜第53対句
十師と弟子の約束第54対句〜第58対句
十一麻の中の蓬第59対句〜第63対句
十二一日に一字を学べば第64対句〜第70対句
十三朝のつとめ、夕のつとめ第71対句〜第74対句
十四読むだけでは入らない第75対句〜第80対句
十五蛍の光、窓の雪第81対句〜第92対句
十六学びに遅すぎることなし第93対句〜第98対句
十七智者は常に歓楽す第99対句〜第104対句
十八父母の恩は山よりも高く第105対句〜第118対句
十九孝行の人々の物語第119対句〜第132対句
二十無常のことわり第133対句〜第150対句
二十一施しの心第151対句〜第160対句
二十二結び——幼き人を導くために第161対句〜第165対句
明治
学問のすゝめ
実語教を引いて明治の日本を動かした、福澤諭吉の大ベストセラー。独立・実学・人望——全十七編を、一編ずつ現代のことばで。
水源
論語 ── 素読三十句
実語教も童子教も学問のすゝめも、水源をたどればこの一冊。二千五百年前の言行録から、選りすぐりを声に出して。
底本について
実語教・童子教は、写本により字句の異同があります。本シリーズは江戸の寺子屋で広く読まれた本文を採り(童子教は『〔新板〕実語教 童子教』雲出屋板)、底本で欠字となっていた字は字注により通行の字体で復元しています。学問のすゝめは青空文庫収録の本文と照合しています。
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