実語教・第二十九句
おのれ ひとの おやを うやまえば己人の親を敬えば
ひと また おのが おやを うやまう人亦己が親を敬う
原文 己敬人親者 人亦敬己親
お子さんと保護者の方へ。実語教・第二十九句を、いっしょに確かめましょう。
いまのことば
己人の親を敬えばの意味は?
自分が友だちの親を大切にすれば、
友だちもまた、自分の親を大切にしてくれる。
友だちもまた、自分の親を大切にしてくれる。
きょうの暮らしでいうと
前の句の「敬いあいの仕組み」を、一歩先へ進めた句です。今度は、目の前の相手ではなく、相手の後ろにいる人——友だちの親を敬う話になります。
友だちの家におじゃましたとき、その子のお父さんお母さんにきちんとあいさつする。すると、その友だちがあなたの家に来たとき、あなたの親にも同じようにしてくれる。あなたの振る舞いが、めぐりめぐって自分の親が大切にされる世界を作るのです。
自分のあいさつひとつが、自分の親への贈り物になる——そう考えると、よその家の玄関でのふるまいが、少し変わってきませんか。
考えてみよう
- 問一友だちの家で、その子の親にどんなあいさつをしていますか。
- 問二自分の親が、あなたの友だちから大切にされたら、どんな気持ちになるでしょう。
- 問三「めぐりめぐって返ってくる」ものは、敬意のほかに何があるでしょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——江戸の長屋は壁一枚でつながった暮らしで、よその子も自分の子のように叱り、ほめる文化がありました。町全体が、この句の「めぐりあい」で回っていたのです。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
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