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第十八章

童 子 教 ・ 第十八章 父母の恩は山よりも高く

ちちの おんは やまより たかく ははの とくは うみより ふかし父の恩は山より高く、母の徳は海より深し

原文 父恩者高山 母徳者深海

この章の本文(第105対句〜第118対句)

いまのことば

父の恩は山より高く、母の恩は海より深い。
十月おなかで育て、生まれてからも何年も、身をすり減らして育ててくれた。

きょうの暮らしでいうと

「父母の恩は山より高く海より深し」——日本人が親の恩を語るときの定番の言い回しは、この章から広まりました。

童子教は、その恩を抽象的に言いません。十月の間おなかの中で育て、生まれてからは昼は父の膝、夜は母の懐。飲ませた乳の量まで数え上げる。そして親は、わが子を食べさせるために働き、身も心もすり減らす——恩を「量」で見せるのです。

「恩を戴いて恩を知らざるは、樹の鳥の枝を枯らすが如し」。世話になった木の枝を枯らす鳥になるな。恩を知ることが人であることの条件だと、実語教二十四句と同じ結論に至ります。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——この章には仏教的な人間観(体の由来や無常観)が色濃く出ています。生命の見方は時代とともに変わりましたが、「親の恩を量で想像してみる」という方法は、いまも心を動かす力を持っています。
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