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第一章

童 子 教 ・ 第一章 貴人の前のふるまい

それ きじんの まえに いては けんろに たつことを えざれ夫れ貴人の前に居ては、顕露に立つことを得ざれ

原文 夫貴人前居 顕露不得立

この章の本文(第1対句〜第6対句)

いまのことば

目上の人の前では、つっ立ったままでいない。
呼ばれたらつつしんで応じ、聞かれるまでは口をはさまない。

きょうの暮らしでいうと

童子教は、実語教とならんで寺子屋で使われた「ふるまい」の教科書です。実語教が「なぜ学ぶか」を教えたのに対し、童子教は「どう身を処すか」を、場面ごとに具体的に教えます。

冒頭は、目上の人の前でのふるまいから。姿勢、手の置き方、視線、口の開き方——ここまで細かいのは、敬意は心の中だけでは伝わらないと知っていたからです。形にしてはじめて、相手に届きます。

「問はずんば答へざれ」は、黙っていろという意味ではありません。相手の話が終わるまで待つ、という会話の基本です。面接や目上の人へのあいさつで、いまもそのまま通用します。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——童子教は鎌倉時代ごろに成立したとされ、作者は不明です(平安の僧・安然に仮託する説もあります)。実語教とセットで一冊にした『実語教童子教』が、江戸の寺子屋の大定番でした。
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