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十六

実語教・第十六句

くんしは ちしゃを あいし君子は智者を愛し
しょうじんは ふくじんを あいす小人は福人を愛す

原文 君子愛智者 小人愛福人

いまのことば

君子は智者を愛すの意味は?

立派な人は、知恵のある人を大切にする。
そうでない人は、お金持ちにばかり近づく。

きょうの暮らしでいうと

「君子(くんし)」は人格の立派な人、「小人(しょうじん)」はその反対の人。中国の古典によく出てくる対比です。

この句が見ているのは、だれと仲良くなろうとするかに、その人の中身が表れるということです。得をさせてくれそうな人にばかり近づくのか。学べる相手、尊敬できる相手を選ぶのか。

友だち選びの話としても読めますし、もっと手前の話——自分はどちらの側の人間になりたいか、という問いとしても読めます。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——「君子」「小人」は『論語ろんご』の中心的な言葉です。実語教じつごきょうは、仏教の言葉と儒教の言葉の両方を使って書かれています。千年前の日本の教室では、ふたつの伝統がひとつの教科書に同居していました。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
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