実語教・第十三句
がくもんに ときを おこたること なかれ学文に時を怠ること勿れ
ねむりを のぞきて よもすがら じゅせよ眠りを除きて通夜誦せよ
うえを しのびて ひねもす ならえ飢えを忍びて終日習え
原文 学文勿怠時 除眠通夜誦 忍飢終日習
お子さんと保護者の方へ。実語教・第十三句を、いっしょに確かめましょう。
いまのことば
学文に時を怠ること勿れの意味は?
学びの時間を、むだにしてはいけない。
眠る時間のほかは夜どおし唱え、
空腹をこらえてでも、一日じゅう学びなさい。
眠る時間のほかは夜どおし唱え、
空腹をこらえてでも、一日じゅう学びなさい。
きょうの暮らしでいうと
ここは実語教の中で、いちばん熱のこもった句です。夜どおし、一日じゅう——さすがに極端に聞こえます。
実際、これは文字どおり「寝るな、食べるな」という意味ではありません。昔の書物には、こうした強い言い方で「それほど大切だ」と伝える型があります。「死ぬほど笑った」が本当に死にかけたわけではないのと同じです。
本当に伝えたいのは、ひとつ。学べる時間は、思っているより短い。ぼんやり過ごせば消えていく時間を、少しでも学びに向けなさい、ということです。
考えてみよう
- 問一一日の中で「なんとなく消えている時間」は、どこにありますか。
- 問二その時間を15分だけ学びに変えるなら、何をしますか。
- 問三昔の人はなぜ、こんなに強い言い方をしたのだと思いますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——「通夜(つや)」は今ではお葬式の言葉として知られますが、もともとは「夜どおし」という意味。「誦(じゅ)す」は声に出して唱えることです。寺子屋の学びは、目で読むより、声に出すことが中心でした。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
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