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三十三

実 語 教 ・ 第 三十三 句

あくを このむ ものは わざわいを まねく悪を好む者は禍を招く
たとえば ひびきの おとに おうずるが ごとし譬えば響きの音に応ずるが如し

原文 好悪者招禍 譬如響応音

いまのことば

悪いことを好む人は、わざわいを自分で呼び寄せる。
ちょうど、山びこが声に応えて返ってくるように。

きょうの暮らしでいうと

山に向かって「ヤッホー」と叫べば「ヤッホー」と返ってきます。「バカ」と叫べば「バカ」と返ってくる。返ってくるものは、自分が出したものです。

行いも同じだ、とこの句は言います。意地悪をすれば、意地悪な空気が自分のまわりに集まる。乱暴な言葉を使えば、乱暴な言葉が返ってくる。だれかに罰せられるのではなく、自分の出した声が、自分に返ってくるだけなのです。

この句は次の句とふたつでひと組。悪い山びこの話のあとに、良い山びこの話が続きます。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——「禍(わざわい)」の字は、示(神さまに関わること)と咼を合わせた字。昔の人は、わざわいは外から降ってくるものと考えがちでしたが、この句は「自分が招くもの」と言い切っています。千年前として、ずいぶん近代的な考え方です。
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