二十三
実語教・第二十三句
ひとと して ち なき ものは人として智無き者は
ぼくせきに ことならず木石に異ならず
原文 人而無智者 不異於木石
いまのことば
人として智無き者はの意味は?
人でありながら、学んで知恵を持とうとしない者は、
木や石と変わらない。
きょうの暮らしでいうと
ずいぶん強い言葉です。でも、この句が責めているのは「知恵がない」ことではありません。持とうとしないことです。
木や石は、考えることも、変わることもできません。人だけが、昨日の自分より今日の自分を良くできます。その力を使わないのは、せっかくの人としての力を眠らせたままにすること——そう言っているのです。
第六句「人学ばざれば智無し」の教えが、ここでもう一段強い形で戻ってきます。実語教は、大事なことを何度も、少しずつ強くしながらくりかえします。
考えてみよう
- 問一人にできて、木や石にできないことを、できるだけたくさん挙げてみましょう。
- 問二「昨日の自分より今日の自分を良くする」——今日は何がひとつ良くなったでしょう。
- 問三強い言葉で言われると、かえってやる気が出ることはありますか。それはなぜでしょう。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——このような強い対比は、漢文の伝統的な表現の型です。きつく聞こえますが、当時の読者は「それほど大事なことなのだ」という強調として受け取っていました。
原文について
この記事が扱っている
『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、
国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
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