五編
学 問 の す ゝ め ・ 五編 明治七年一月一日の詞
世の学者はおおむねみな腰ぬけにてその気力は不慥かなり。—— 福澤諭吉『学問のすゝめ』五編より
いまのことば
学んだだけで行動しない学者を、福澤は「腰ぬけ」と叱った。
知っていることと、やってみせることは別である。
きょうの暮らしでいうと
元日の集まりで塾生に語った言葉を、そのまま一編にしたものです。だから他の編より熱く、口調も強い。自分と同じ学者仲間を「腰ぬけ」とまで言います。
言葉だけ勇ましくて、いざとなると動かない。批評はするが、自分では何もしない。知識は行動になってはじめて力になる——耳の痛い話は、150年たっても耳が痛いままです。
SNSで意見を言うのは簡単になりました。では、その意見のために自分は何か動いたか。福澤の「腰ぬけ」という言葉は、いまのわたしたちにも刺さります。
考えてみよう
- 問一「言うだけ」で終わってしまったことはありますか。
- 問二批評することと、行動すること。どちらもある人を知っていますか。
- 問三いま言っている意見のなかで、行動に変えられそうなものはどれですか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——この編が語られた明治7年の正月、日本はまだ廃刀令も出ていない時代です。武士の世が終わって数年、誰もが「これからどう生きるか」を探していた中での、新年の檄でした。