二十五
実 語 教 ・ 第 二十五 句
さんがくの ともに まじわらずんば三学の友に交わらずんば
なんぞ しちがくの はやしに あそばん何ぞ七学の林に遊ばん
しとうの ふねに のらずんば四等の船に乗らずんば
たれか はっくの うみを わたらん誰か八苦の海を渡らん
原文 不交三学友 何遊七学林 不乗四等船 誰渡八苦海
いまのことば
学びに励む友と交わらなければ、豊かな学びの森で遊ぶことはできない。
思いやりの船に乗らなければ、人生の苦しみの海は渡れない。
きょうの暮らしでいうと
数字がたくさん出てくる句です。三学・七学・四等・八苦——これらはみな仏教の言葉で、くわしくは豆知識にゆずりますが、句の心はシンプルです。
前半は、ひとりで学ぶな、学ぶ友を持て。いっしょに学ぶ友がいてはじめて、学びの森は奥まで歩けます。
後半は、人生の海は、思いやりという船でしか渡れない。生きていれば必ず苦しいことがある。それを越えるのは、人と支え合う心だ、と言っています。学びの友と、思いやりの船。実語教が旅の支度として持たせてくれる、ふたつの道具です。
考えてみよう
- 問一「いっしょに学ぶと、ひとりより進む」と感じた経験はありますか。
- 問二苦しいとき、あなたを「船」のように運んでくれたものは何でしたか。
- 問三あなたはだれかの「船」になったことがあるでしょうか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——三学は「戒・定・慧」=行いを整え、心を静め、知恵を磨く三つの学び。八苦は生・老・病・死などの八つの苦しみで、「四苦八苦」という言葉のもとです。千年前の教室では、こうした仏教の言葉が学びの世界観の土台にありました。