二十
実 語 教 ・ 第 二十 句
しんぞくは たとえば あしの ごとし親族は譬えば葦の如し
ふさいは なお かわらの ごとし夫妻は猶瓦の如し
原文 親族譬如葦 夫妻猶如瓦
いまのことば
親族は、水辺に寄りそって生える葦のようなもの。
夫婦は、組み合わさって屋根を守る瓦のようなもの。
きょうの暮らしでいうと
葦(あし)は、川辺に群れて生える背の高い草です。一本一本は細くて頼りないのに、群れて生えることで、風にも水にも倒れません。親族——おじさん、おばさん、いとこたち——のつながりを、これにたとえました。
瓦は一枚では雨をふせげませんが、たがいに重なり合ってはじめて屋根になります。夫婦のたとえとして、なるほどと思わせます。
どちらのたとえにも共通するのは、一人では弱いものが、支え合うと強くなるという見方です。家族とは何かを、千年前の人はこんな風景で説明しました。
考えてみよう
- 問一親族が「葦の群れ」のように支え合った場面を、見たことがありますか。
- 問二一人では弱いのに、組み合わさると強くなるものを、ほかにも探してみましょう。
- 問三あなたは、だれの「隣の葦」になれるでしょうか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——葦は日本の水辺にもっとも多い植物のひとつで、『日本書紀』では日本の国を「豊葦原(とよあしはら)の国」と呼んでいます。身近な草が、国の名前にまでなっていました。