二十七
実 語 教 ・ 第 二十七 句
おいたるを うやまうは ふぼの ごとく老いたるを敬うは父母の如く
おさなきを あいするは してい の ごとくせよ幼きを愛するは子弟の如くせよ
原文 敬老如父母 愛幼如子弟
いまのことば
お年寄りには、自分の親のように敬意をもって接しなさい。
小さい子には、自分の弟や妹のように優しくしなさい。
きょうの暮らしでいうと
第二十二句では、友だち・兄・弟という「知っている人」との接し方を学びました。この句は、その輪を町で出会う知らない人にまで広げます。
電車で会うおばあさんを、自分のおばあちゃんだと思ってみる。公園で転んだ小さい子を、自分の弟だと思ってみる。それだけで、かける言葉も、出る手も、自然に変わります。
「みんなに親切にしなさい」と言われるより、ずっと具体的で、ずっとやさしい方法です。千年前の人は、心の動かし方を知っていました。
考えてみよう
- 問一知らないお年寄りを「自分の祖父母だったら」と思って見ると、何が変わりますか。
- 問二町で出会う小さい子に、年上としてできることは何でしょう。
- 問三逆に、あなたが知らない大人から親切にされた経験はありますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——この「身近な人への心を、知らない人へ広げる」という考え方は、儒教の「老吾老、以及人之老(わが老を老として、人の老に及ぼす)」という教えと同じ形です。孟子の言葉が、日本の子どもの教科書に流れ込んでいました。