CCN 寺子屋
こころの間へ戻る
二十七

実語教・第二十七句

おいたるを うやまうは ふぼの ごとく老いたるを敬うは父母の如く
おさなきを あいするは してい の ごとくせよ幼きを愛するは子弟の如くせよ

原文 敬老如父母 愛幼如子弟

いまのことば

老いたるを敬うは父母の如くの意味は?

お年寄りには、自分の親のように敬意をもって接しなさい。
小さい子には、自分の弟や妹のように優しくしなさい。

きょうの暮らしでいうと

第二十二句では、友だち・兄・弟という「知っている人」との接し方を学びました。この句は、その輪を町で出会う知らない人にまで広げます。

電車で会うおばあさんを、自分のおばあちゃんだと思ってみる。公園で転んだ小さい子を、自分の弟だと思ってみる。それだけで、かける言葉も、出る手も、自然に変わります。

「みんなに親切にしなさい」と言われるより、ずっと具体的で、ずっとやさしい方法です。千年前の人は、心の動かし方を知っていました。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——この「身近な人への心を、知らない人へ広げる」という考え方は、儒教の「老吾老、以及人之老(わが老を老として、人の老に及ぼす)」という教えと同じ形です。孟子もうしの言葉が、日本の子どもの教科書に流れ込んでいました。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
前の句へ次の句へ