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十八

実 語 教 ・ 第 十八 句

ひんせんの かどを いずと いえども貧賎の門を出ずと雖も
ち ある ひとの ためには智有る人の為には
あたかも でいちゅうの はちすの ごとし宛も泥中の蓮の如し

原文 雖出貧賎門 為有智人者 宛如泥中蓮

いまのことば

貧しい家に生まれても、
知恵を身につけた人は、
泥の中から咲く蓮の花のように輝く。

きょうの暮らしでいうと

蓮(はす)は、きれいな水ではなく、泥の中から茎をのばして、あの見事な花を咲かせます。泥が濃いほど、花は美しく見えます。

前の句とこの句を並べると、実語教の言いたいことがくっきりします。生まれた家がどうかではない。自分の中に何を育てたかで、人生は決まる。千年前の身分社会のまっただ中で、教科書がこれを子どもに教えていたことは、驚くべきことです。

いまの言葉にすれば、こうでしょうか——スタート地点は選べない。でも、そこから咲けるかどうかは、自分で決められる。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——蓮は仏教で最も大切にされる花です。泥の中から清らかな花を咲かせる姿が、困難の中で咲く人の姿に重ねられてきました。夏の朝、蓮池に行くと、開花の瞬間に立ち会えることがあります。
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