実語教・第七句
くらの うちの たからは くつること あり倉の内の財は朽つること有り
みの うちの さいは くつること なし身の内の才は朽つること無し
原文 倉内財有朽 身内才無朽
お子さんと保護者の方へ。実語教・第七句を、いっしょに確かめましょう。
いまのことば
倉の内の財は朽つること有りの意味は?
倉にしまった財産は、いつか朽ちてだめになる。
自分の中に身につけた才は、朽ちることがない。
自分の中に身につけた才は、朽ちることがない。
きょうの暮らしでいうと
大事なものをしまっておく場所が、昔は倉でした。今なら、貯金箱、引き出し、ゲーム機の中のデータかもしれません。
でも、しまってあるものは、こわれたり、古びたり、流行おくれになったりします。自分の体で覚えたことだけは、しまう場所がいりません。自転車の乗り方、泳ぎ方、九九。一度身についたものは、何年たっても出てきます。
「財産はどこに置くのがいちばん安全か」——実語教の答えは、金庫でも倉でもなく、自分の中、です。
考えてみよう
- 問一自分の体で覚えていて、何年たっても忘れないものはありますか。
- 問二「しまってあるだけのもの」と「身についたもの」の違いは、どこにあるでしょう。
- 問三今日から身につけ始めるとしたら、何を選びますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——江戸の商家では、火事のときに帳簿を井戸に投げ込んで守ったといいます。それほど大事にした帳簿でも、燃えれば終わり。番頭さんの頭の中にある商いの知恵だけは、火事でも失われませんでした。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
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