三
実 語 教 ・ 第 三 句
とみは これ いっしょうの たから富は是れ一生の財
み めっすれば すなわち ともに めっす身滅すれば即ち共に滅す
原文 富是一生財 身滅即共滅
いまのことば
お金や持ちものは、一生かぎりの財産。
命が終われば、いっしょに消えてしまう。
きょうの暮らしでいうと
お年玉、ゲームのアイテム、限定のグッズ。手に入れるとうれしくて、ずっと大事なものに思えます。
でも実語教は、はっきり言います。お金や持ちものは「一生かぎり」の財産。使えば減り、こわれ、いつかは手放すときが来ます。
これは、お金を悪いものだと言っているのではありません。お金には「ここまで」という限りがある——そのことを知ったうえで、次の句では「限りのない財産」の話が始まります。ふたつでひと組の句です。
考えてみよう
- 問一前は大切にしていたのに、いまは使っていないものはありますか。
- 問二「使うと減るもの」と「使っても減らないもの」を、ひとつずつ挙げてみましょう。
- 問三お金で買えない財産があるとしたら、それは何だと思いますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——この句には、写本によって字句の少し違う形も伝わっています。千年のあいだ、手で書き写されて広まった本だからです。こころの間では、江戸の寺子屋で広く読まれた形を採っています。