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九編

学問のすゝめ・九編 学問の旨を二様に記して

人の心身の働きを細かに見れば、これを分かちて二様に区別すべし。—— 福澤諭吉ふくざわゆきち『学問のすゝめ』九編より

いまのことば

学問のすゝめ 九編の内容は?

働きにはふたつある。自分の暮らしを立てる働きと、
世の中のために積み上げる働きと。

きょうの暮らしでいうと

ふるさと中津なかつの旧友に宛てた手紙の形をした編です。だからか、語りがやわらかい。

自分と家族が食べていくための働き。それは大事だが、それだけで満足するのは「蟻の門人」だと福澤は言います。蟻も巣を作り食料をたくわえる。人がそれだけなら、蟻と同じではないか、と。

人には、もうひとつの働きがある。いまの世の中は、先人が積み上げてくれたものの上にある。なら自分も、次の人のために何かを積んで渡す。橋も、学校も、本も、誰かがそうして残したものです。自分の暮らし+次の人への上乗せ。ふたつそろって一人前、という人生の設計図です。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——中津なかつ(大分県)は福澤の故郷です。下級武士の子として育った福澤は、身分制度の理不尽を身をもって知っていました。『学問のすゝめ』の激しさの根には、故郷での実体験があります。
原文について
この記事が扱っている『学問のすゝめ』は、福沢諭吉が1872年(明治5年)から刊行した書。初編から十七編まであります。
全文は青空文庫『学問のすすめ』で読めます(底本が明記されています)。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
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