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十六編

学 問 の す ゝ め ・ 十六編 手近く独立を守ること

独立に二様の別あり、一は有形なり、一は無形なり。—— 福澤諭吉『学問のすゝめ』十六編より

いまのことば

独立にはふたつある。お金や暮らしの独立と、心の独立と。
暮らしが立っていても、心が人任せなら独立ではない。

きょうの暮らしでいうと

三編の「一身独立」を、もっと手近なところに引き寄せた編です。独立を「品物の独立」と「精神の独立」に分けます。

自分で稼ぎ、人に物をもらわずに暮らす。それが品物の独立。でも福澤は、そこで安心するなと言います。暮らしは立っているのに、考えることを世間任せにしている人——流行に流され、みんなの意見に合わせ、自分では何も決めていない。それは心がまだ独立していないのです。

おこづかいを自分で管理するのが品物の独立の練習なら、「自分はどう思うか」を一度自分の頭で通すのが、精神の独立の練習です。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——この編には「心事と働きと相当すべき」——考えていることと実際の行動を釣り合わせよ、という論もあります。志だけ大きくて行動が伴わない人、行動はあるが考えのない人。両方への処方箋です。
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