実語教・第十句
ざいもつは ながく そんぜず財物は永く存せず
さいちを ざいもつと なす才智を財物とす
原文 財物永不存 才智為財物
お子さんと保護者の方へ。実語教・第十句を、いっしょに確かめましょう。
いまのことば
財物は永く存せずの意味は?
お金やものは、いつまでも残らない。
才能と知恵こそを、自分の財産としなさい。
才能と知恵こそを、自分の財産としなさい。
きょうの暮らしでいうと
第三句から続いてきた「お金と知恵、どちらが本当の財産か」という問いに、この句で結論が出ます。才智を財物とす——知恵を財産とせよ。
ここまで実語教は、同じことを角度を変えて四回も言いました。富は一生かぎり。智は万代の財。倉の財は朽ちる。千両より一日の学。よほど大事なことなのです。千年前の大人たちも、子どもがつい目の前のお金やものに引かれてしまうことを、よく知っていたのでしょう。
ここで「お金の章」が終わり、次の句からは「時間」の話が始まります。
考えてみよう
- 問一実語教はなぜ、同じことを四回もくりかえしたのだと思いますか。
- 問二あなたの「才智の財産」を、通帳のように書き出すとしたら、何が並びますか。
- 問三その財産を増やすために、今週できそうなことはありますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——実語教は、大事なことを形を変えてくりかえす作りになっています。これは覚えるための工夫でもありました。声に出して唱えるうちに、くりかえされた考え方が自然と体に残るのです。
原文について
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。
この記事が扱っている『実語教』は、平安末から鎌倉期に成立したとされる教訓書。江戸の寺子屋でもっとも広く使われた教科書のひとつです。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『実語教』で画像を見られます。
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