実 語 教 ・ 第 六 句
原文 人不学無智 無智為愚人
前の句の「玉」が、この句で「人」に戻ります。玉は磨かなければ光らない。人は学ばなければ知恵がつかない。同じ形の、仕上げの一句です。
きびしい言葉に聞こえます。でも裏返すと、これほど希望のある言葉もありません。生まれつきではなく、学んだかどうか。だとすれば、知恵はだれにでも開かれています。今日から学べば、今日から変わります。
福澤諭吉は『学問のすゝめ』の冒頭近くで、まさにこの句を引きました。「天は人の上に人を造らず」——それなのに世の中に賢い人とそうでない人がいるのはなぜか。その答えとして「実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり」と書いたのです。明治の日本を動かした本の土台に、寺子屋のこの一句がありました。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。