二十二
実 語 教 ・ 第 二十二 句
ともと まじわりて あらそう こと なかれ友と交わりて諍う事勿れ
おのが あにには れいけいを つくし己が兄には礼敬を尽くし
おのが おとうとには あいこを いたせ己が弟には愛顧を致せ
原文 交友勿諍事 己兄尽礼敬 己弟致愛顧
いまのことば
友だちとは、争いごとをしないように。
年上の人には礼儀と敬意をつくし、
年下の人には愛情をもって面倒をみなさい。
きょうの暮らしでいうと
友だち、年上、年下。この句は、人づきあいを三方向に分けて、それぞれの心がまえを言います。
おもしろいのは、相手によって接し方を変えてよいと教えているところです。全員に同じ態度ではなく、年上には敬意、年下には面倒見、同輩には争わない心。江戸の寺子屋は年齢の違う子が同じ部屋で学んだので、この教えはそのまま毎日の教室の作法でした。
学年で区切られた今の学校より、実は複雑な人間関係を、江戸の子どもたちは毎日こなしていたのかもしれません。
考えてみよう
- 問一年上・年下・同い年で、自分の接し方はどう変わっていますか。
- 問二「争わない」は「がまんする」と同じでしょうか、違うでしょうか。
- 問三年下の子の面倒をみて、うれしかった経験はありますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——寺子屋には6歳から13歳くらいまでの子が一緒に通い、進み方もひとりひとり別々でした。年上の子が年下の子に教えるのはあたりまえの風景で、教えることがそのまま年上の子の学びにもなっていました。