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実 語 教 ・ 第 一 句

やま たかきが ゆえに たっとからず山高きが故に貴からず
き あるを もって とうとしと なす樹有るを以て貴しと為す

原文 山高故不貴 以有樹為貴

いまのことば

山は、高いから立派なのではない。
木が豊かに茂っているから、立派なのだ。

きょうの暮らしでいうと

背の高さ、足の速さ、テストの点数、フォロワーの数——「高さ」は、外からすぐ見えます。だから、つい高さで比べたくなります。

でも、千年前に書かれたこの教科書は、いちばん最初の一句で、こう言います。外から見える高さではなく、その中で何が育っているか。木のない岩山がさびしいように、どれだけ高くても、中に育つものがなければ、人は集まりません。

実語教は、この「山」のたとえから始めて、次の句でいよいよ「人」の話に入っていきます。

考えてみよう

答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。

豆知識——『実語教』は平安時代の末ごろに生まれ、江戸時代には寺子屋の定番の教科書として、日本中の子どもが最初に学ぶ一冊でした。明治の世に学校の教科書が変わり、いまでは読む人の少なくなったこの一冊を、こころの間では一句ずつ、現代のことばで読み直していきます。
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