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国語の間

国語の間

お子さんと、ことばと国語を家でいっしょに楽しみたい保護者の方へ。

寺子屋の学びの中心は「読み書き」でした。いろは歌で文字を覚え、かるたで百人一首を身につけ、故事成語こじせいごで言葉の物語を知る。千年のことばは、いまもあなたの日本語の中に生きています。

畳の上に並べたかるたを取り合う2人の子どものようす

いろは歌は四十七文字を使い切る歌

百人一首は全100首

故事成語は二千年前の物語から

百人一首の女性の歌は21首

まず、この一首から

千年歌い継がれたことばの入口

歌

百人一首 ── 全百首そろい踏み

藤原定家ふじわらのていかが小倉山おぐらやまで選んだ百の名歌を、一首残らず現代のことばで。かるたで遊びながら千年の言葉が身につく、日本一の入門古典です。

全100首 完全版
1首 約4分
一番から読む
一番秋の田のかりほの庵の 二番春過ぎて夏来にけらし 三番足引きの山鳥の尾の 四番田子の浦に打出でてみれば 五番奥山に紅葉ふみ分け 六番かささぎの渡せる橋に 七番天の原ふりさけ見れば 八番わが庵は都のたつみ 九番花の色は移りにけりな 十番これや此の行くも帰るも 十一番わたの原八十島やそしまかけて 十二番天つ風雲のかよひぢ 十三番筑波嶺つくばねの峯みねより落つる 十四番陸奥みちのくのしのぶもぢずり 十五番君がため春の野に出でて 十六番立別れいなばの山の 十七番ちはやぶる神代も聞かず 十八番住の江の岸に寄る浪なみ 十九番難波潟なにわがた短き葦あしの 二十番侘わびぬれば今はた同じ 二十一番今来こむといひしばかりに 二十二番吹くからに秋の草木の 二十三番月見れば千々に物こそ 二十四番此の度は幣ぬさもとりあへず 二十五番名にしおはば逢坂おうさか山の 二十六番小倉山おぐらやま峯のもみぢ葉 二十七番みかの原わきて流ながるる 二十八番山里は冬ぞ寂さびしさ 二十九番心あてに折おらばや折おらむ 三十番有明ありあけのつれなく見えし 三十一番朝ぼらけ有明の月と見るまでに 三十二番山がはに風のかけたるしがらみは 三十三番久方の光のどけき春の日に 三十四番誰をかも知る人にせむ高砂の 三十五番人はいさ心もしらずふるさとは 三十六番夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを 三十七番白露に風の吹きしく秋の野は 三十八番忘らるる身をば思はず誓ひてし 三十九番浅茅生の小野の篠原しのぶれど 四十番忍ぶれど色に出にけり我が戀は 四十一番戀すてふわが名はまだき立ちにけり 四十二番契りきなかたみに袖をしぼりつつ 四十三番逢ひみての後の心にくらぶれば 四十四番逢ふことの絶えてしなくばなかなかに 四十五番哀れともいふべき人はおもほえで 四十六番由良の戸をわたる舟人楫をたえ 四十七番八重葎しげれる宿のさびしきに 四十八番風をいたみ岩うつ浪のおのれのみ 四十九番御垣守衛士のたく火の夜はもえ 五十番君がため惜しからざりし命さへ 五十一番かくとだにえやはいぶきのさしも草 五十二番明けぬればくるるものとは知りながら 五十三番嘆きつつ獨りぬる夜の明くるまは 五十四番忘れじの行末までは難ければ 五十五番瀧の音はたえて久しくなりぬれど 五十六番あらざらむ此の世のほかの思ひ出に 五十七番めぐり逢ひて見しやそれとも 五十八番有馬山ゐなのささ原風吹けば 五十九番やすらはで寝なましものを小夜更けて 六十番大江山いくのの道の遠ければ 六十一番古への奈良の都の八重ざくら 六十二番夜をこめて鳥のそら音ははかるとも 六十三番今はただ思ひ絶えなむとばかりを 六十四番朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえに 六十五番恨み侘びほさぬ袖だにあるものを 六十六番諸共にあはれと思へ山ざくら 六十七番春の夜の夢ばかりなる手枕に 六十八番心にもあらで憂世にながらへば 六十九番嵐ふく三室の山のもみぢ葉は 七十番寂しさに宿を立ち出でて眺むれば 七十一番夕されば門田の稲葉おとづれて 七十二番音に聞く高師の濱のあだ浪は 七十三番高砂の尾の上の桜咲きにけり 七十四番うかりける人を初瀬の山おろし 七十五番契りおきしさせもが露を命にて 七十六番わたの原漕ぎ出でて見れば久方の 七十七番瀬を早み岩にせかるる 七十八番淡路島かよふ千鳥の 七十九番秋風にたなびく雲の絶間より 八十番ながからむ心も知らず黒髪の 八十一番ほととぎす鳴きつる方を眺むれば 八十二番思ひわびさても命はあるものを 八十三番世の中よ道こそなけれ思ひ入る 八十四番ながらへばまた此の頃やしのばれむ 八十五番夜もすがらもの思ふ頃は明けやらで 八十六番嘆けとて月やはものを思はする 八十七番村雨の露もまだひぬ 八十八番難波江のあしのかりねの一夜ゆゑ 八十九番玉の緒よたえなば絶えねながらへば 九十番見せばやな雄島のあまの袖だにも 九十一番きりぎりすなくや霜夜のさむしろに 九十二番わが袖は汐干に見えぬ沖の石の 九十三番世の中は常にもがもな渚こぐ 九十四番みよし野の山の秋風小夜更けて 九十五番おほけなくうき世の民におほふかな 九十六番花さそふあらしの庭の雪ならで 九十七番来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに 九十八番風そよぐ楢の小川の夕ぐれは 九十九番人もをし人もうらめしあぢきなく 百番百敷や古き軒端のしのぶにも
故事

故事成語こじせいご ── 物語つきのことば

矛盾むじゅん、蛇足だそく、推敲すいこう——毎日使う日本語の中に、二千年前の物語が生きています。

全70話
1話 約4分
矛盾むじゅんから読む
一矛盾むじゅん——最強の矛と最強の盾 二蛇足だそく——余計なひと筆 三漁夫の利ぎょふのり——争う二者、笑う第三者 四五十歩百歩ごじっぽひゃっぽ——にげた距離のちがい 五温故知新おんこちしん——古きをたずねて 六推敲すいこう——押すか、敲くか 七四面楚歌しめんそか——四方しほうから聞きこえる故郷こきょうの歌うた 八背水はいすいの陣じん——川かわを背せにして戦たたかう 九臥薪嘗胆がしんしょうたん——薪たきぎの上うえに寝ねて、胆きもをなめる 十塞翁さいおうが馬うま——幸こうと不幸ふこうは、入いれ替かわる 十一杞憂きゆう——空そらが落おちてこないか 十二虎とらの威いを借かる狐きつね——後うしろを歩あるく虎とら 十三朝三暮四ちょうさんぼし——朝あさに三みっつ、暮くれに四よっつ 十四完璧かんぺき——璧たまを、傷きずつけずに持もち帰かえる 十五逆鱗げきりんに触ふれる——竜りゅうの、逆さかさの鱗うろこ 十六登竜門とうりゅうもん——のぼりきれば、竜りゅうになる 十七呉越同舟ごえつどうしゅう——仲なかの悪わるい二人ふたりが、同おなじ舟ふねに 十八画竜点睛がりょうてんせい——最後さいごに、瞳ひとみを入いれる 十九蛍雪けいせつの功こう——蛍ほたるの光ひかり、窓まどの雪ゆき 二十井いの中なかの蛙かわず——海うみを知しらない 二十一助長じょちょう——苗なえを引ひっぱって、助たすけたつもりが 二十二傍若無人ぼうじゃくぶじん——人ひとの目めなど、まるで無ないかのように 二十三竜頭蛇尾りゅうとうだび——竜りゅうの頭あたまで始はじまり、蛇へびの尾おで終おわる 二十四呉下の阿蒙ごかのあもう——三日みっか会わぬ間あいだに、人ひとは変かわる 二十五他山の石たざんのいし——よその山やまの石いしも、玉たまを磨みがける 二十六疑心暗鬼ぎしんあんき——斧おのを盗ぬすんだのは、あの子こではないか 二十七玉石混交ぎょくせきこんこう——玉ぎょくも石いしも、同おなじかごの中なかに 二十八白眉はくび——眉まゆに白しろい毛けが混まじる、あの人ひとがいちばんだ 二十九断腸の思いだんちょうのおもい——子こを失うしなった母ははざるの、百里ひゃくりの叫さけび 三十邯鄲の夢かんたんのゆめ——粟あわ飯めしが炊たけるまでの、一生いっしょう 三十一塗炭の苦しみとたんのくるしみ——泥どろにまみれ、火ひに焼やかれるように 三十二会稽の恥かいけいのはじ——会稽山かいけいざんで受うけた、あの恥はじを 三十三刎頸の交わりふんけいのまじわり——あなたのためなら、首くびを差さし出だそう 三十四破天荒はてんこう——荒あれ地ちを切きり開ひらいた、初はじめての一人ひとり 三十五覆水盆に返らずふくすいぼんにかえらず——こぼれた水みずは、もう盆ぼんには戻もどらない 三十六大器晩成たいきばんせい——大おおきな器うつわは、早はやくはできあがらない 三十七杜撰ずさん——杜黙ともくの詩しは、型かたに合あわない 三十八五里霧中ごりむちゅう——五里ごりにわたる霧きりの中なかで 三十九一挙両得いっきょりょうとく——一ひとつの矢やで、二ふたつの獲物えものを 四十水魚の交わりすいぎょのまじわり——魚うおに水みずを得えたように 四十一髀肉の嘆ひにくのたん——ふとももに、また肉にくがついた 四十二三顧の礼さんこのれい——三度さんど、草庵そうあんを訪たずねて 四十三隗より始めよかいよりはじめよ——まずは、この私わたしから 四十四病膏肓に入るやまいこうこうにいる——薬くすりの届とどかない、体からだの奥おくへ 四十五先んずれば人を制すさきんずればひとをせいす——先さきに動うごいた者ものが、人ひとを制せいする 四十六鶏口牛後けいこうぎゅうご——鶏にわとりの口くちとなるも、牛うしの尻しりとなるなかれ 四十七捲土重来けんどちょうらい——土つちけむりを巻まき上あげ、もう一度いちど 四十八管鮑の交わりかんぽうのまじわり——損得そんとくをこえた、かたい友情ゆうじょう 四十九羊頭狗肉ようとうくにく——店先みせさきは羊ひつじの頭あたま、売うるのは犬いぬの肉にく 五十鶏鳴狗盗けいめいくとう——にわとりの鳴なきまねが、関所せきしょを開ひらいた 五十一百聞は一見に如かずひゃくぶんはいっけんにしかず——話はなしを聞きくより、この目めで見みよう 五十二過ぎたるは猶及ばざるが如しすぎたるはなおおよばざるがごとし——やりすぎも、足たりないのも同おなじ 五十三知音ちいん——この音おとをわかってくれる、ただ一人ひとり 五十四守株しゅしゅ——もう一度いちどうさぎが来くるのを、切きり株かぶのそばで 五十五李下に冠を正さずりかにかんむりをたださず——すももの木きの下したでは、冠かんむりに手てをふれない 五十六曲学阿世きょくがくあせい——学まなびをまげて、世よにおもねる 五十七泣いて馬謖を斬るないてばしょくをきる——目めをかけた人ひとだからこそ、決きまりを守まもる 五十八苛政は虎よりも猛しかせいはとらよりもたけし——きびしい政治せいじは、虎とらよりおそろしい 五十九敗軍の将は兵を語らずはいぐんのしょうはへいをかたらず——負まけた将しょうは、戦たたかいを語かたらない 六十羹に懲りて膾を吹くあつものにこりてなますをふく——熱あつさにこりて、冷つめたい料理りょうりまで吹ふく 六十一虎穴に入らずんば虎子を得ずこけつにいらずんばこじをえず——危険きけんをおかさねば、大おおきな成果せいかは得えられない 六十二燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやえんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや——小ちいさな鳥とりに、大おおきな鳥とりの志こころざしはわからない 六十三前車の覆るは後車の戒めぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ——前まえの車くるまの失敗しっぱいは、後あとへの戒いましめ 六十四青は藍より出でて藍より青しあおはあいよりいでてあいよりあおし——教おしえを受うけた弟子でしが、師しをこえる 六十五鼎の軽重を問うかなえのけいちょうをとう——上うえに立たつ人ひとの、力ちからを疑うたがう 六十六宋襄の仁そうじょうのじん——川かわを渡わたってくる敵てきを、じっと待まってあげた王おう 六十七衣食足りて礼節を知るいしょくたりてれいせつをしる——着きるものと食たべるものがあってこそ、心こころにゆとりが 六十八巧言令色鮮し仁こうげんれいしょくすくなしじん——上手じょうずなことばと笑顔えがおの奥おくを、見みつめる 六十九有備無患ゆうびむかん——かさを一本いっぽん持もっていれば、雨あめの空そらもこわくない 七十雌伏しふく——いまは静しずかに伏ふせて、大空おおぞらへはばたく日ひを待まつ
諺

ことわざ ── 昔むかしから言いいならわされたことば

暮らしの知恵を、短いことばに。いろはかるたの札になったものもあります。

一石の上にも三年いしのうえにもさんねん——冷つめたい石いしも、すわりつづければ温あたたまる 二猿も木から落ちるさるもきからおちる——木きのぼりの名人めいじんでも、手てがすべる日ひがある 三早起きは三文の徳はやおきはさんもんのとく——朝あさ早はやく起おきた人ひとには、小ちいさな得とくがある 四二兎を追う者は一兎をも得ずにとをおうものはいっとをもえず——二匹にひきのうさぎを追おえば、一匹いっぴきもつかまらない 五灯台下暗しとうだいもとくらし——明あかりの台だいの、すぐ下しただけが暗くらい 六火のない所に煙は立たぬひのないところにけむりはたたぬ——けむりが上あがるのは、どこかに火ひがあるから 七犬も歩けば棒に当たるいぬもあるけばぼうにあたる——江戸えどのいろはかるた、はじまりの「い」の札ふだ 八蓼食う虫も好き好きたでくうむしもすきずき——からい草くさを、好このんで食たべる虫むしもいる 九塵も積もれば山となるちりもつもればやまとなる——ちりも、積つもれば山やまになる 十泣きっ面に蜂なきっつらにはち——泣ないている顔かおを、さらに蜂はちが刺さす 十一良薬は口に苦しりょうやくはくちににがし——よく効きく薬くすりは、苦にがい 十二急がば回れいそがばまわれ——舟ふねは速はやい。けれど、橋はしを回まわれ 十三転ばぬ先の杖ころばぬさきのつえ——転ころんでからではなく、転ころぶ前まえに杖つえを 十四三人寄れば文殊の知恵さんにんよればもんじゅのちえ——ひとりでは思おもいつかなくても、三人さんにんなら 十五光陰矢の如しこういんやのごとし——月日つきひは、放はなたれた矢やのように過すぎる 十六案ずるより産むが易しあんずるよりうむがやすし——心配しんぱいしていたより、やってみれば案外あんがいやさしい 十七河童の川流れかっぱのかわながれ——泳およぎの名人めいじん・河童かっぱも、川かわに流ながされる 十八弘法にも筆の誤りこうぼうにもふでのあやまり——書しょの名人めいじん・弘法大師こうぼうだいしでも、書かきそこなうことがある 十九馬の耳に念仏うまのみみにねんぶつ——ありがたいお経きょうも、馬うまには通つうじない 二十雨降って地固まるあめふってじかたまる——雨あめのあと、地面じめんはかえって固かたくなる 二十一一寸先は闇いっすんさきはやみ——ほんの少すこし先さきも、まっ暗くらで見みえない 二十二七転び八起きななころびやおき——七回ななかい転ころんでも、八回はちかい起おきあがる 二十三花より団子はなよりだんご——桜さくらより、おだんご 二十四善は急げぜんはいそげ——よいことは、思おもい立たったらすぐに 二十五蛙の子は蛙かえるのこはかえる——おたまじゃくしも、やがては蛙かえる 二十六急いては事を仕損じるせいてはことをしそんじる——あわててボタンをかけると、一ひとつずつずれていく 二十七聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥きくはいっときのはじきかぬはいっしょうのはじ——手てをあげて聞きく、ほんの少すこしの勇気ゆうきが一生いっしょうを助たすける 二十八能ある鷹は爪を隠すのうあるたかはつめをかくす——えものをとる鋭するどい爪つめは、ふだんはそっとしまっておく 二十九身から出た錆みからでたさび——刀かたなの錆さびは、刀かたなの中なかから出でてきたものだった 三十残り物には福があるのこりものにはふくがある——最後さいごに残のこったくじに、いちばんの当あたりがかくれていた 三十一笑う門には福来るわらうかどにはふくきたる——笑わらい声ごえのもれる家いえの門かどを、幸しあわせがくぐってやって来くる 三十二情けは人のためならずなさけはひとのためならず——人ひとにかけたやさしさは、ぐるりと回まわって自分じぶんにもどる 三十三千里の道も一歩からせんりのみちもいっぽから——はるか遠とおくの町まちへも、まずは目めの前まえの一歩いっぽをふみ出だす 三十四論より証拠ろんよりしょうこ——言いい合あうより、目めの前まえに出だして見みせれば話はなしは早はやい 三十五郷に入っては郷に従えごうにいってはごうにしたがえ——はじめての土地とちでは、まずその土地とちのならわしにならう 三十六口は災いの元くちはわざわいのもと——ぽろりとこぼれた一言ひとことが、大おおきな波なみを立たてることがある 三十七果報は寝て待てかほうはねてまて——あせらずに、ゆっくりとよい知しらせを待まつ 三十八棚からぼたもちたなからぼたもち——見上みあげた棚たなから、ぼたもちがころりと落おちてきた 三十九船頭多くして船山に上るせんどうおおくしてふねやまにのぼる——かじを取とる人ひとが多おおすぎて、船ふねが山やまへ登のぼっていく 四十猫に小判ねこにこばん——ぴかぴかの小判こばんも、猫ねこにはただの丸まるい板いた 四十一暖簾に腕押しのれんにうでおし——力ちからいっぱいのれんを押おしても、ふわりとゆれるだけ 四十二焼け石に水やけいしにみず——熱あつく焼やけた石いしに水みずをかけても、じゅっと消きえるだけ 四十三住めば都すめばみやこ——はじめはなじめなかった町まちが、いつのまにか大好だいすきに 四十四知らぬが仏しらぬがほとけ——知しらないでいるうちは、仏ほとけさまのようにおだやかな顔かお 四十五待てば海路の日和ありまてばかいろのひよりあり——嵐あらしの港みなとで待まっていれば、やがておだやかな海うみの日ひが来くる 四十六鬼に金棒おににかなぼう——ただでさえ強つよい鬼おにが、鉄てつの棒ぼうを手てにしたら 四十七出る杭は打たれるでるくいはうたれる——並ならんだくいの中なかで、一本いっぽんだけ高たかいものがたたかれる 四十八好きこそ物の上手なれすきこそもののじょうずなれ——好すきなことなら、時間じかんをわすれて、いつのまにか上手じょうずに 四十九うそも方便うそもほうべん——相手あいてを思おもう小ちいさな作つくり話ばなしが、場ばをまるくおさめることも 五十三つ子の魂百までみつごのたましいひゃくまで——小ちいさいころの自分じぶんが、大人おとなになっても心こころの中なかにいる 五十一立つ鳥跡を濁さずたつとりあとをにごさず——水鳥みずどりが飛とび立たったあとの水面すいめんは、にごらずにすんでいる 五十二失敗は成功のもとしっぱいはせいこうのもと——うまくいかなかった日ひが、うまくいく日ひのたねになる 五十三石橋を叩いて渡るいしばしをたたいてわたる——がんじょうな石いしの橋はしでも、ひとつひとつたしかめて進すすむ 五十四負けるが勝ちまけるがかち——いまは相手あいてにゆずって、さいごに笑わらう 五十五案ずるより産むが易しあんずるよりうむがやすし——心配しんぱいでいっぱいだった胸むねが、やってみると、すっと軽かるくなる 五十六継続は力なりけいぞくはちからなり——ほんの少すこしずつ、毎日まいにちつづけたその先さきに 五十七一寸の虫にも五分の魂いっすんのむしにもごぶのたましい——小ちいさな虫むしにも、小ちいさな虫むしなりの、負まけられない気持きもちがある 五十八縁の下の力持ちえんのしたのちからもち——目立めだたない床下ゆかしたで、家いえをそっと支ささえている 五十九二度あることは三度あるにどあることはさんどある——同おなじことが続つづいたら、また起おこるかもしれない 六十時は金なりときはかねなり——一分いっぷん一秒いちびょうも、むだにせずに、大切たいせつに使つかう 六十一渡る世間に鬼はないわたるせけんにおにはない——こまったとき、思おもいがけず、手てをさしのべてくれる人ひとがいる 六十二馬子にも衣装まごにもいしょう——いつもとちがう服ふくを着きたら、まるで別人べつじんのよう 六十三長い物には巻かれろながいものにはまかれろ——強つよいものには、さからわずに、とりあえず従したがっておく 六十四悪事千里を走るあくじせんりをはしる——かくしたはずの悪わるいことが、あっという間まに広ひろがる 六十五木を見て森を見ずきをみてもりをみず——一本いっぽんの木きばかり見みていて、森もりの広ひろさに気きづかない
四字

四字熟語よじじゅくご ── 漢字かんじ四字よじのことば

漢字かんじ四字よじにこめた物語ものがたり。中国ちゅうごくの古典こてんや茶ちゃの湯ゆから生うまれたことばも。

一一石二鳥いっせきにちょう——石いしひとつで、鳥とりが二羽にわ 二自画自賛じがじさん——自分じぶんで描かいた絵えに、自分じぶんでほめことばを書かく 三十人十色じゅうにんといろ——十人じゅうにんいれば、十とおとおりの色いろ 四一期一会いちごいちえ——この出会であいは、一生いっしょうに一度いちどかもしれない 五電光石火でんこうせっか——いなずまの光ひかり、石いしを打うつ火花ひばな 六起承転結きしょうてんけつ——起おこして、承うけて、転てんじて、結むすぶ 七大同小異だいどうしょうい——大おおきく見みれば同おなじ、小ちいさく見みれば異ことなる 八千載一遇せんざいいちぐう——千年せんねんに一度いちど、めぐり会あえるかどうか 九自業自得じごうじとく——自分じぶんのしたことは、自分じぶんに返かえってくる 十我田引水がでんいんすい——自分じぶんの田たんぼにだけ、水みずを引ひく 十一単刀直入たんとうちょくにゅう——刀かたな一本いっぽんで、まっすぐ切きりこむ 十二半信半疑はんしんはんぎ——半分はんぶんは信しんじて、半分はんぶんは疑うたがう 十三一日千秋いちじつせんしゅう——一日いちにち会あえないだけで、何年なんねんもたったよう 十四一心不乱いっしんふらん——心こころをひとつに、みだれずに 十五有言実行ゆうげんじっこう——言いったことは、やりとげる 十六臨機応変りんきおうへん——その場ばに応おうじて、やり方かたを変かえる 十七弱肉強食じゃくにくきょうしょく——弱よわいものは肉にくとなり、強つよいものがそれを食くう 十八針小棒大しんしょうぼうだい——針はりほどの小ちいさなことを、棒ぼうほどに大おおきく 十九一朝一夕いっちょういっせき——ひと朝あさ、ひと晩ばんでは、できあがらない 二十一喜一憂いっきいちゆう——よいことに喜よろこび、悪わるいことに心配しんぱいする 二十一四苦八苦しくはっく——四よっつの苦く、八やっつの苦く 二十二意気投合いきとうごう——気持きもちが、ぴたりと合あう 二十三適材適所てきざいてきしょ——その人ひとに合あった、その場所ばしょへ 二十四朝令暮改ちょうれいぼかい——朝あさに出だした命令めいれいを、夕方ゆうがたにはもう改あらためる 二十五花鳥風月かちょうふうげつ——花はな、鳥とり、風かぜ、月つき 二十六以心伝心いしんでんしん——ことばにしなくても、目めを合あわせただけで伝つたわる 二十七一刀両断いっとうりょうだん——刀かたなをひとふりして、まっぷたつ。迷まよいもすっぱりと 二十八言語道断ごんごどうだん——あまりのことに、ことばの道みちがとだえてしまう 二十九異口同音いくどうおん——ちがう口くちから、ぴたりと同おなじことばが飛とび出だす 三十絶体絶命ぜったいぜつめい——前まえも後うしろも道みちがない。さあ、ここからどうする 三十一七転八倒しちてんばっとう——あまりの苦くるしさに、ころげ回まわって、またころげ回まわる 三十二心機一転しんきいってん——新あたらしいノートの一いちページ目めに、気持きもちも新あらたに 三十三一部始終いちぶしじゅう——はじめから終おわりまで、一ひとつも残のこさず見みとどけた 三十四前代未聞ぜんだいみもん——むかしの人ひとも聞きいたことがない、はじめての出来事できごと 三十五危機一髪ききいっぱつ——かみの毛け一本いっぽんの差さで、あぶないところをすりぬけた 三十六右往左往うおうさおう——右みぎへ行いったり、左ひだりへ行いったり、足あしがなかなか決きまらない 三十七付和雷同ふわらいどう——雷かみなりが鳴なると、あちこちの物ものがいっせいにひびく 三十八優柔不断ゆうじゅうふだん——あれもいいし、これもいい。気きづけば時間じかんだけがすぎていく 三十九用意周到よういしゅうとう——かさも地図ちずもばんそうこうも、かばんの中なかにちゃんとある 四十無我夢中むがむちゅう——気きがつけば夕方ゆうがた。夢中むちゅうになって時間じかんをわすれていた 四十一本末転倒ほんまつてんとう——根ねっこと枝先えださきが、いつのまにか入いれかわっている 四十二公明正大こうめいせいだい——かくしごとなく、だれに見みられても胸むねをはれる 四十三日進月歩にっしんげっぽ——昨日きのうより今日きょう、先月せんげつより今月こんげつ、少すこしずつ前まえへ 四十四馬耳東風ばじとうふう——春はるの風かぜが耳みみをなでても、馬うまはしっぽもふらない 四十五八方美人はっぽうびじん——どちらを向むいても、にっこり。でも本当ほんとうの気持きもちはどこに 四十六油断大敵ゆだんたいてき——あと少すこしでゴール。そのときこそ、気きをゆるめずに 四十七奇想天外きそうてんがい——空そらの向むこうから落おちてきたような、びっくりする思おもいつき 四十八一網打尽いちもうだじん——一度いちど投なげた網あみで、池いけの魚さかなをすっかりすくい上あげる 四十九東奔西走とうほんせいそう——東ひがしへ走はしり、西にしへかけ、一日いちにちじゅう大おおいそがし 五十温厚篤実おんこうとくじつ——いつもおだやかで、約束やくそくをきちんと守まもる人ひとのそばは安心あんしん 五十一起死回生きしかいせい——もうだめだと思おもわれたものが、息いきをふきかえす 五十二試行錯誤しこうさくご——うまくいくやり方かたが見みつかるまで、何度なんどでもためす 五十三周章狼狽しゅうしょうろうばい——思おもいがけないことが起おきて、右往左往うおうさおうしてしまう 五十四初志貫徹しょしかんてつ——はじめに決きめた道みちを、さいごまで歩あるきとおす 五十五八方塞がりはっぽうふさがり——どちらを向むいても、道みちがふさがれている 五十六先手必勝せんてひっしょう——相手あいてより先さきに動うごいて、流ながれをつかむ 五十七質実剛健しつじつごうけん——かざらないけれど、強つよくて、しっかりしている 五十八有名無実ゆうめいむじつ——名前なまえだけは立派りっぱでも、中身なかみは空からっぽ 五十九理路整然りろせいぜん——話はなしの筋道すじみちが、きちんと一本いっぽんにつながっている 六十悪戦苦闘あくせんくとう——苦くるしい戦たたかいの中なかで、それでも手てをゆるめない 六十一自給自足じきゅうじそく——食たべるものも、使つかうものも、自分じぶんの手てでまかなう 六十二言行一致げんこういっち——言いったことと、やることが、ぴたりと重かさなる 六十三難攻不落なんこうふらく——どんなに攻せめても、びくともしない 六十四満場一致まんじょういっち——会場かいじょうの全員ぜんいんの手てが、いっせいにあがる 六十五取捨選択しゅしゃせんたく——たくさんの中なかから、必要ひつようなものだけを手てに取とる 六十六順風満帆じゅんぷうまんぱん——追おい風かぜを帆ほにいっぱい受うけて、船ふねが気持きもちよく進すすむ 六十七縦横無尽じゅうおうむじん——どちらを向むいても、思おもうぞんぶん動うごき回まわる 六十八日常茶飯事にちじょうさはんじ——毎日まいにち、あたりまえのように起おこる、ありふれたこと 六十九一心不乱いっしんふらん——ほかのことは目めに入はいらない。ただ一ひとつのことに向むかう 七十勇猛果敢ゆうもうかかん——こわがらず、思おもいきって、前まえへ出でる 七十一品行方正ひんこうほうせい——いつ見みても、行おこないがきちんとしている 七十二公平無私こうへいむし——好すききらいをはさまず、ものさしを真まっすぐにあてる 七十三全力投球ぜんりょくとうきゅう——ありったけの力ちからを、ひと球たまにこめる 七十四天真爛漫てんしんらんまん——かざらず、ありのまま、にこにこと笑わらっている 七十五真剣勝負しんけんしょうぶ——ごまかしのきかない、本気ほんきのたたかい 七十六老若男女ろうにゃくなんにょ——おじいさんから赤あかちゃんまで、みんなが集あつまる 七十七喜怒哀楽きどあいらく——笑わらったり、おこったり、泣ないたり、楽たのしんだり 七十八無病息災むびょうそくさい——病気びょうきをせず、一年いちねんを元気げんきにすごせますように 七十九平穏無事へいおんぶじ——なにごともなく、おだやかに一日いちにちがすぎていく 八十完全無欠かんぜんむけつ——どこにも、すきまがなく、非ひのうちどころがない 八十一意気投合いきとうごう——はじめて会あったのに、ずっと話はなしていたくなる 八十二森羅万象しんらばんしょう——空そらも、海うみも、花はなも、虫むしも、みんな合あわせて 八十三自由自在じゆうじざい——思おもいのままに、すいすい動うごかせる 八十四切磋琢磨せっさたくま——おたがいを磨みがきあって、少すこしずつ光ひかっていく 八十五責任転嫁せきにんてんか——自分じぶんのミスを、そっと人ひとに押おしつけてしまう 八十六大胆不敵だいたんふてき——こわいものなし。堂々どうどうと、前まえに出でる 八十七不言実行ふげんじっこう——なにも言いわずに、黙だまって、やりとげる 八十八清廉潔白せいれんけっぱく——後うしろ暗ぐらいところが、ひとつもない 八十九千差万別せんさばんべつ——ひとつとして、同おなじものがない 九十前後不覚ぜんごふかく——いま、どこにいるのか、わからなくなるほど 九十一唯我独尊ゆいがどくそん——世界せかいで自分じぶんひとりだけが、えらいと思おもいこむ 九十二抱腹絶倒ほうふくぜっとう——おなかをかかえて、たおれそうなほど笑わらう 九十三古今東西ここんとうざい——いつの時代じだいも、どこの国くにでも 九十四一念発起いちねんほっき——ふと、心こころに火ひがついて、新あたらしい道みちへふみ出だす 九十五異体同心いたいどうしん——体からだはべつべつでも、心こころはひとつ 九十六三日坊主みっかぼうず——はじめは、はりきっていたのに、すぐにやめてしまう 九十七一目瞭然いちもくりょうぜん——ひと目め見みただけで、すっきり、わかる
慣用

慣用句かんようく ── 決きまった言いい回まわし

体からだや身近みぢかなものを使つかった、決きまった言いい回まわし。

一目から鱗が落ちるめからうろこがおちる——目めをおおっていたものが、はらりと落おちる 二猫の手も借りたいねこのてもかりたい——役やくに立たたない猫ねこの手てでも、借かりたいほど 三頭が上がらないあたまがあがらない——あの人ひとの前まえでは、顔かおを上あげられない 四口が滑るくちがすべる——言いうつもりのなかったことが、つるりと出でてしまう 五足を洗うあしをあらう——よごれた足あしを洗あらって、その道みちをやめる 六鼻が高いはながたかい——うれしくて、つい胸むねをはる 七顔が広いかおがひろい——あちこちに、知しり合あいがいる 八気が置けないきがおけない——気きをつかわなくていい、気楽きらくな相手あいて 九手を焼くてをやく——どうにもうまく、あつかえない 十腹をくくるはらをくくる——迷まよいを捨すてて、覚悟かくごを決きめる 十一耳が痛いみみがいたい——本当ほんとうのことだからこそ、聞きくのがつらい 十二目を丸くするめをまるくする——びっくりして、目めがまんまるに 十三舌を巻くしたをまく——あまりのみごとさに、ことばも出でない 十四骨が折れるほねがおれる——骨ほねが折おれるほど、たいへんな仕事しごと 十五肩の荷が下りるかたのにがおりる——重おもい荷物にもつを下おろして、ほっと一息ひといき 十六胸をなでおろすむねをなでおろす——どきどきしていた胸むねを、そっとなでる 十七水に流すみずにながす——いやなことは、川かわの水みずに流ながしてしまおう 十八油を売るあぶらをうる——用ようの途中とちゅうで、おしゃべりに時間じかんをつぶす 十九さじを投げるさじをなげる——薬くすりをまぜるさじを、投なげ出だす 二十馬が合ううまがあう——乗のり手てと馬うまの、息いきがぴたりと合あう 二十一板につくいたにつく——舞台ぶたいの板いたに、しっくりなじむ 二十二釘を刺すくぎをさす——あとでぐらつかないよう、釘くぎでしっかり留とめる 二十三顔から火が出るかおからひがでる——はずかしくて、顔かおがかっと熱あつくなる 二十四息を呑むいきをのむ——はっとして、息いきが止とまる 二十五腕によりをかけるうでによりをかける——腕前うでまえを、いつも以上いじょうにふるう 二十六猫をかぶるねこをかぶる——いつもはにぎやかなのに、よその家いえではおとなしい 二十七お茶を濁すおちゃをにごす——よくわからないまま、それらしく茶碗ちゃわんをかきまぜる 二十八手に汗を握るてにあせをにぎる——最後さいごの一球いっきゅう。気きづけば、手てのひらがじっとりしていた 二十九口を酸っぱくするくちをすっぱくする——何度なんども何度なんども、同おなじことを言いってきかせる 三十羽を伸ばすはねをのばす——かごから出でた鳥とりが、大おおきく羽はねを広ひろげるように 三十一目が高いめがたかい——たくさんの中なかから、いちばんよいものを見みつけ出だす目め 三十二耳を貸すみみをかす——友ともだちの話はなしに、そっと耳みみを向むけて、最後さいごまで聞きく 三十三首を長くするくびをながくする——まだかな、まだかなと、窓まどの外そとをのぞきこむ 三十四歯が立たないはがたたない——かたいおせんべいに、かみついても、かみついても 三十五腰が低いこしがひくい——だれに対たいしても、ていねいにおじぎをする人ひと 三十六鼻にかけるはなにかける——自分じぶんのじまんを、鼻はなの先さきにぶら下さげて見みせて回まわる 三十七口が堅いくちがかたい——打うち明あけた秘密ひみつは、あの子この口くちの中なかに大切たいせつにしまわれる 三十八図に乗るずにのる——うまくいって、ついつい調子ちょうしが上あがりすぎる 三十九棚に上げるたなにあげる——自分じぶんのことは高たかい棚たなにしまって、見みえないふりをする 四十手塩にかけるてしおにかける——自分じぶんの手てで、一ひとつひとつ世話せわをして育そだててきた 四十一さばを読むさばをよむ——数かぞえているうちに、数かずがこっそりふえたりへったり 四十二しのぎを削るしのぎをけずる——刀かたなと刀かたながぶつかり合あい、火花ひばなが散ちるほどのせり合あい 四十三太鼓判を押すたいこばんをおす——大おおきなはんこを、どんとおして「これなら大丈夫だいじょうぶ」 四十四白羽の矢が立つしらはのやがたつ——たくさんの人ひとの中なかから、すっと一本いっぽんの矢やがとどく 四十五らちが明かないらちがあかない——さくが閉とじたままで、なかなか先さきへ進すすめない 四十六二の足を踏むにのあしをふむ——一歩いっぽ目めはふみ出だしたのに、二歩にほ目めの足あしがその場ばで止とまる 四十七眉をひそめるまゆをひそめる——まゆとまゆの間あいだに、きゅっと小ちいさなしわが寄よる 四十八身を粉にするみをこにする——体からだがこなごなになるほど、一生いっしょうけんめいに働はたらく 四十九足が棒になるあしがぼうになる——一日いちにちじゅう歩あるきつづけて、足あしがこちこちにかたまった 五十虫がいいむしがいい——自分じぶんに都合つごうのよいことばかり、心こころの虫むしがささやいている 五十一腹を割るはらをわる——おなかの中なかの本当ほんとうの気持きもちを、ぜんぶ見みせる 五十二肩を持つかたをもつ——二人ふたりのけんかの場ばで、そっと片方かたほうの味方みかたにつく 五十三胸を張るむねをはる——背せすじをのばして、まっすぐ前まえを向むく 五十四骨を折るほねをおる——いやがらずに、人ひとのために力ちからをつくす 五十五頭が下がるあたまがさがる——りっぱな行おこないを見みて、思おもわずおじぎをしたくなる 五十六首を突っ込むくびをつっこむ——のぞきこんでいるうちに、いつのまにか中なかに入はいっている 五十七揚げ足を取るあげあしをとる——相手あいての言いいまちがいを、すかさず取とり上あげる 五十八足を引っ張るあしをひっぱる——前まえに進すすもうとする人ひとの足あしを、うしろからそっとつかむ 五十九顔を立てるかおをたてる——相手あいての気持きもちがきずつかないように、そっと気きをくばる 六十鼻を明かすはなをあかす——いつも強つよかった相手あいてを、あっと言いわせる 六十一手を抜くてをぬく——やるべきことを、少すこしだけ、飛とばしてしまう 六十二耳を疑うみみをうたがう——いま聞きいたことが、本当ほんとうかどうか、もう一度いちどたしかめたくなる 六十三腕が鳴るうでがなる——強つよい相手あいてを前まえにして、じっとしていられない 六十四目に余るめにあまる——見みていられないほど、行いきすぎている 六十五気が利くきがきく——言いわれる前まえに、必要ひつようなことに気きづいて動うごく 六十六手を貸すてをかす——こまっている人ひとに、そっと、手てをさしのべる 六十七気が引けるきがひける——なんだか、申もうしわけなくて、遠慮えんりょしてしまう 六十八気が進まないきがすすまない——やらなければいけないのに、足あしが重おもい 六十九気を配るきをくばる——まわりのようすに、そっと目めを向むけておく 七十息が合ういきがあう——言葉ことばにしなくても、動うごきがぴったりそろう 七十一舌が肥えるしたがこえる——おいしいものを知しるうちに、味あじの違ちがいがわかってくる 七十二口がうまいくちがうまい——話はなすのがじょうずで、すっかり信しんじてしまいそう 七十三腰を据えるこしをすえる——どっしりと構かまえて、ぐらつかずに取とり組くむ 七十四手に余るてにあまる——自分じぶんの力ちからでは、もう持もちきれない 七十五目を細めるめをほそめる——うれしさが、顔かおいっぱいにあふれる 七十六耳を澄ますみみをすます——音おとを一ひとつも聞ききのがさないように、息いきをひそめる 七十七口を挟むくちをはさむ——人ひとが話はなしている途中とちゅうに、横よこから入はいりこむ 七十八胸が躍るむねがおどる——楽たのしみで、じっとしていられない 七十九気が散るきがちる——ひとつのことに、集中しゅうちゅうできなくなる 八十骨身を惜しまずほねみをおしまず——くたくたになるまで、いやがらずに、やりきる 八十一腹を決めるはらをきめる——迷まよいをふりきって、まっすぐに前まえを向むく 八十二足を運ぶあしをはこぶ——わざわざ、その場所ばしょまで出でかけていく 八十三目を通すめをとおす——ざっと、はじめから終おわりまで、見みわたす 八十四根も葉もないねもはもない——木きの根ねも、葉はもない。つまり、どこにも、もとがない 八十五耳を傾けるみみをかたむける——そっと耳みみを向むけて、じっと聞きく 八十六目が回るめがまわる——くるくるして、足あしもとがふらつくほど、いそがしい 八十七口が重いくちがおもい——言いいたいことがあっても、なかなか、ことばが出でてこない
かな

いろは歌と、ことばの行事

四十七文字を使い切る奇跡の歌と、一年最初の一文字。

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