故 事 成 語 ・ 五
「温ねて」は「たずねて」。冷えたものを温め直すように、昔のことをもう一度自分の火にかけてみる、という字です。ただ暗記するのではなく、いまの問いをぶつけてみる。すると古いものが、新しい答えを返してくる。
この「こころの間」から「体育の間」まで、寺子屋の新しい間でやってきたことは、まさに温故知新でした。実語教に、塵劫記に、百人一首に、いまの暮らしの問いをぶつける。すると千年前の教科書が、SNSの言葉づかいや、勉強のコツや、贈りものの心を語り出す——あなたはもう、温故知新を体験しています。
孔子は「それができれば師になれる」と言いました。古いものと新しいものの両方に足をかけた人だけが、次の人に道を示せるからです。
答えはひとつではありません。声に出して読んでから考えると、また違って見えてきます。