CCN 寺子屋
国語の間へ戻る
矛盾

故 事 成 語 ・ 一

「この矛は、どんな盾もつらぬく」
「この盾は、どんな矛も通さない」
——では、その矛でその盾を突いたら?『韓非子』より

いまのことば

つじつまの合わないことを「矛盾」という。
その語源は、武器を売る商人の、二つの自慢話だった。

ことばの景色

楚の国の商人が、矛(ほこ)と盾(たて)を売っていました。「この矛はどんな盾もつらぬく最強の矛!」「この盾はどんな矛も通さない最強の盾!」——そこで客のひとりが尋ねます。「あなたのその矛で、あなたのその盾を突いたら、どうなるのかね」。商人は、答えることができませんでした。

二千年以上前の中国の話が、いまも毎日使う日本語になっています。「言ってることが矛盾してるよ」——このひとことの中に、あの商人と客が生きています。

故事成語は、物語つきの言葉です。物語ごと覚えると、忘れません。そして使いどころを間違えません。

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して読んでから考えると、また違って見えてきます。

豆知識——出典の『韓非子』は、中国戦国時代の思想家・韓非の書。実は「矛盾」の話は、なんでも両立させようとする議論のあやまりを突くための、論理学の例え話でした。
前へ:久方の光のどけき春の日に次へ:蛇足