📖 基本ガイド / ふくらませ方の対

読書感想文が字数を超えたときの削り方

👤 小学生・中学生・保護者
📂 基本ガイド
📌 このページでわかること

字数を超えたということは、書くことが見つかったということです

原稿用紙が足りなくなるのは、心に残ったことが多かったからです。
ここから先は、減らす作業ではなく、いちばん言いたいことを前に出す作業になります。

やみくもに短くすると、どこにでもある感想文になります。
順番を決めて削ってください。

削る順番

上から順に手をつけます。下にいくほど、その子にしか書けない部分です。

どこを削るか
1あらすじ——いちばん先に削ります。物語の説明は、感想を書くために必要な最小限まで縮めます
2同じことを2回言っている段落——1つにまとめます
3感想の言いかえ——「〜と思いました」が続いていたら、強いほうを1つ残します
4自分の経験これからどうするか——ここは最後まで残します。削ると、誰が書いても同じ文章になります

あらすじを先に削る理由は、あらすじだけにならない方法と同じです。
読む人が知りたいのは物語の内容ではなく、その子が何を思ったかだからです。

原稿用紙では、削った文字数より多く減ります

青少年読書感想文全国コンクールの応募要項には、数え方がこう書かれています。

段落を1つ減らすと、字下げの1字と、その段落の行末に残っていた空白も一緒に減ります。
行末の空白は0字のこともあれば19字のこともあるので、いくつ減るかは書いてみるまで分かりません。
つまり文字を削った数より、原稿用紙の字数はいつも多く減ります。あと少しというときは、ここが効きます。

数え方そのものは原稿用紙の使い方にまとめてあります。

実例:1,140字を800字に収める

全文例に載せている小学校中学年(4年生)の1本を使います。原稿用紙で1,140字、段落は10本ありました。
学校の指示が「原稿用紙2枚」=800字だった場合に合わせて削ります。

何をしたか

削ったあとの全文(原稿用紙760字)

「ごん狐」を読み終わったとき、わたしはすぐに本を閉じることができませんでした。最後の一行のあとに、まだ何か続きがあるような気がしたからです。

ごんは、いたずらばかりしている一人ぼっちの子ぎつねです。自分のいたずらのせいで兵十のおっ母が死んだかもしれないと考えたごんは、毎日のように、くりや松たけを兵十の家へ置いていきます。だれにも言わず、置いてくるだけです。

わたしは読みながら、名前を書いた紙を一まい置けばいいのに、と何度も思いました。でも、ごんはそうしませんでした。ほめてほしくてやっていたのではなく、自分がしてしまったことを自分で取りかえそうとしていただけなのだと思います。

三年生のとき、わたしは友だちの筆箱を落として、中のえん筆をおってしまいました。わざとではなかったけれど、こわくて言えませんでした。次の日、わたしは新しいえん筆をこっそり筆箱に入れました。友だちは気づかないままでした。わたしは、ほっとしたのと、もやもやしたのが、半分ずつでした。

あのときのもやもやが、ごんを読んでやっと分かりました。わたしは、あやまるのがこわくて、物でごまかしただけだったのです。ごんも同じだったのかもしれません。ちがうのは、ごんはそれを毎日続けたことです。

さいごに、兵十はごんをうってしまいます。土間のくりを見て、やっと気がつきます。分かってもらうために、ごんは死ななければなりませんでした。わたしはそれがくやしいです。

あのとき、わたしは友だちに、ごめんね、と言うべきでした。今からでもおそくないので、言おうと思います。ごんのように、だまって置いてくるのではなく、自分の口で言いたいです。

減り方の内訳

数えるもの前 → 後
文字だけ1,056字 → 690字(366字減)
字下げ10字 → 7字
行末の空白74字 → 63字
原稿用紙の字数1,140字 → 760字(380字減)

文字は366字しか削っていないのに、原稿用紙では380字減りました。
差の14字は、段落が3本減ったことで消えた字下げ3字と行末の空白11字です。

目標は800字でしたから、40字あまりました。
ぎりぎりまで詰めず、少し余らせておくと、清書のときに書き足せます。

学年によって、「整える」の中身が違います

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編には、書くことの学習過程の一つとして推敲が置かれ、「記述した文章を読み返し,構成や書き表し方などに着目して文や文章を整えること」と示されています。
そして、学年ごとに何をするかが分けて書かれています。

学年示されていること
小学1・2年文章を読み返す習慣を付ける。間違いを正したり、語と語や文と文との続き方を確かめたりする
小学3・4年間違いを正したり、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりする
小学5・6年文章全体の構成や書き表し方などに着目して、文や文章を整える

低学年で「全体の構成を見直しなさい」と言っても難しいのは、そのためです。
1・2年生は声に出して読み返し、つながりの変なところを直すだけで十分です。
5・6年生になって初めて、段落ごと入れかえたり落としたりする作業になります。

削ってはいけないもの

逆に、いくら短くしても字数が減らないときは、あらすじがまだ多い可能性があります。
物語の説明を指で隠して読んでみて、意味が通るなら、その部分は削れます。

足りないときは

削りすぎて字数が届かなくなったら、もう1枚ふくらませる書き方に4つの広げ方をまとめてあります。
削るのと足すのは、同じ材料を前後に動かす作業です。

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— CCN 寺子屋より

読書感想文は、文章の上手さを
競う宿題ではありません。

本を読んで心が動いたことを見つけ、自分の経験や考えとつなげ、自分の言葉で表現する練習です。

CCN 寺子屋では、読書感想文を通して、子どもたちの 考える力・言葉にする力・伝える力 を育てることを大切にしています。完成した文章の上手さよりも、考えた過程を大切にしてあげてください。

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