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三十二

ことわざ・三十二 情けは人のためならずなさけはひとのためならず

人にかけたやさしさは、ぐるりと回って自分にもどる。

いまのことば

情けは人のためならずの意味と使い方は?

人に親切にすると、その親切はめぐりめぐって、いつか自分にもよいこととして返ってくるということ。

ことばの景色

「ためならず」は、「ためではない」という意味です。つまり、人に情けをかけるのは、その人のためだけではなく、自分のためでもある、ということです。

だれかを助けると、その人がまた別のだれかを助け、そのつながりが広がっていきます。そして、自分が困ったときには、どこかでだれかが手をさしのべてくれる。そんな、やさしさがめぐっていく景色が、このことばの中にあります。

このことばは、「情けをかけるのは、その人のためにならない」という意味だと取りちがえられることもあります。文化庁の「国語に関する世論調査」(平成22年度)では、本来の意味を選んだ人が45.8%、本来とはちがう意味を選んだ人が45.7%で、ほぼ半分ずつに分かれました。

たとえば、「転校してきた子に学校の中を案内したら、後で、ぼくがわすれ物をしたときに、その子が貸してくれた。情けは人のためならずだ」のように使います。

使い方の例

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——「ならず」は、古いことばで「〜ではない」という意味です。今の言葉の「ならない(〜してはいけない)」とはちがうので、意味を取りちがえやすいことばの一つです。
原文について
この記事が扱っている『ことわざ』は、昔から人びとの間で言いならわされてきた短い言い回し。「情けは人のためならず」は、ひとりの作者やひとつの原典をもつことばではなく、国語辞典や国語の教科書に見られる定番の表現です。
意味と使い方は、https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h22_chosa_kekka.pdf・https://kotobank.jp/word/情けは人の為ならずで確かめられます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。
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