六十三
故事成語・六十三 前車の覆るは後車の戒め
前の車がたおれた道で、後ろの車は気をつける。
いまのことば
前車の覆るは後車の戒めの意味と使い方は?
前の人の失敗は、後から来る人にとってよい教訓になるということ。
ことばの景色
前を走る車(むかしの中国の、馬が引く車)がひっくり返ったのを見たら、後ろの車は、同じところで同じ失敗をしないように気をつけます。そんな道の景色が、このことばのもとです。
漢の時代、賈誼という若い学者が、皇帝の文帝に意見書をたてまつりました。その中で賈誼は、世の中で言われている「前の車がひっくり返るのは、後の車への戒めである」ということばを引きました。そして、秦がすぐに滅んでしまったわけをよく学び、同じ道を歩まないようにすべきだと説きました。
「覆る」はひっくり返ること、「戒め」は、まちがいをしないようにという注意のことです。
たとえば、「去年の学年は、劇の準備が本番に間に合わなかったと聞いた。前車の覆るは後車の戒めだから、ぼくたちは早めに練習を始めよう」のように使います。
考えてみよう
- 問一人の失敗から学んだことはありますか。
- 問二自分の失敗が、だれかの役に立ったことはあるでしょうか。
- 問三失敗を次の人に伝えるには、どうすればよいと思いますか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——似た意味のことばに「前車の轍を踏む」があります。こちらは、前の人と同じ失敗をくり返す、という意味で、「前車の轍を踏まないように」の形でよく使われます。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。漢書・賈誼伝で、賈誼が文帝にたてまつった意見書の中で引いた言葉。
原文は
https://zh.wikisource.org/wiki/漢書/卷048で確認できます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。