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五十九

故事成語・五十九 敗軍の将は兵を語らずはいぐんのしょうはへいをかたらず

戦に負けた将は、だまって次の道を考える。

いまのことば

敗軍の将は兵を語らずの意味と使い方は?

失敗した人は、そのことについてあれこれ言い訳をしたり、意見を述べたりするべきではないということ。

ことばの景色

漢の将軍の韓信は、趙の国との戦いに勝ちました。そのとき、趙の側で知恵者として知られた李左車(広武君)をとらえますが、韓信は縄をとき、師として敬って、次の戦いの作戦をたずねました。

李左車ははじめ、「戦に敗れた将は、戦いの勇ましさを語るものではない」という意味のことを言って、ことわりました。負けた自分に、作戦を語る資格はない、というのです。

けれども韓信が心から教えを求めたので、李左車はやがて考えを述べ、韓信はその助言を生かしました。このことばは、失敗した人のつつしみを言うと同時に、負けた人からも学ぼうとする韓信の姿勢も伝えています。

たとえば、「試合に負けたあと、キャプテンは審判や天気のせいにせず、『敗軍の将は兵を語らず』と言って、次の練習の話を始めた」のように使います。

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——同じ場面で、李左車は「知恵のある人でも、たくさん考えれば一つはしくじりがある」という意味の言葉も語ったとされ、これが「千慮の一失」ということばのもとになりました。
原文について
この記事が扱っている『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。史記・淮陰侯列伝で、韓信にとらえられた趙の李左車(広武君)が、作戦をたずねられて答えた場面の言葉。
原文はhttps://zh.wikisource.org/wiki/史記/淮陰侯列傳で確認できます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。
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