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五十七

故事成語・五十七 泣いて馬謖を斬るないてばしょくをきる

目をかけた人だからこそ、決まりを守る。

いまのことば

泣いて馬謖を斬るの意味と使い方は?

全体の決まりを守るために、たとえ大切にしている人であっても、私情をすてて処分すること。

ことばの景色

三国時代、蜀の国の宰相、諸葛亮(孔明)は、魏を攻める大きな戦いに出ました。そのとき、街亭という大事な場所を守る役に、日ごろから才能を買っていた若い武将の馬謖を選びました。

ところが馬謖は、諸葛亮の指図に従わず、自分の考えで山の上に陣をしきました。水の道をたたれた蜀の軍は魏に大敗し、この戦い全体が失敗に終わってしまいます。

諸葛亮は、軍の決まりを守るため、かわいがっていた馬謖を処刑しました。そのとき諸葛亮が涙を流した、と伝えられています。ここから「泣いて馬謖を斬る」は、個人の気持ちより全体の決まりを重んじて、大切な人でも処分することをあらわすようになりました。

たとえば、話し合いの場面なら、「仲のよい友だちでも、係の約束を何度もやぶったので、泣いて馬謖を斬る思いで、係を交代してもらうことにした」のように使います。

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——このことばは、実際には人を処罰する場面だけでなく、チームや会社で、大切な人を外したり、役目を交代させたりするときのたとえとしても使われます。
原文について
この記事が扱っている『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。三国志・蜀書。処刑したことは諸葛亮伝の本文(「戮謖以謝衆」=謖を戮して衆に謝す)、諸葛亮が涙を流したことは馬良伝(馬謖の伝を付す)の本文(「亮為之流涕」)に、それぞれ書かれている(どちらも本文で、注に引かれた書ではない)。
原文はhttps://zh.wikisource.org/wiki/三國志/卷35・https://zh.wikisource.org/wiki/三國志/卷39で確認できます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。
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