五十五
故事成語・五十五 李下に冠を正さず
すももの木の下では、かんむりに手をのばさない。
いまのことば
李下に冠を正さずの意味と使い方は?
人から疑いをかけられるようなふるまいは、はじめからひかえるのがよいということ。
ことばの景色
「李」は、すももの木です。実のなっているすももの木の下で、ずれたかんむりを直そうと手を上げると、はたから見ると、実をもぎ取ろうとしているように見えてしまいます。
同じ詩の中に、「瓜田に履を納れず」という句もあります。うりの畑の中で、ぬげたくつをはき直そうとしてかがむと、うりをぬすんでいるように見える、というたとえです。
どちらも、自分は悪いことをしていなくても、疑われるような動きをしないのが、心がけのよい人のふるまいだ、という教えです。古い歌の「君子行」の中の句として伝えられています。
たとえば、「テストのとき、消しゴムを落としても、となりの席のほうに身を乗り出して拾わず、先生に声をかけてから拾う。李下に冠を正さず、だ」のように使います。
考えてみよう
- 問一何もしていないのに、疑われそうになったことはありますか。
- 問二人から見てどう見えるかを、気にしすぎるのはよいことでしょうか。
- 問三疑われないようにするために、ふだんからできることは何でしょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」と、二つをひと続きにして言うこともあります。短く「瓜田李下」という四字の形もあります。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。古楽府「君子行」の中の句。うりの畑とすももの木の下でのふるまいを、二つ並べて述べる。
由来は
https://kotobank.jp/word/李下に冠を正さず-657239で確認できます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。