五十四
故事成語・五十四 守株
もう一度うさぎが来るのを、切り株のそばで。
いまのことば
守株の意味と使い方は?
古いやり方や、一度うまくいったことにこだわって、進歩がないこと。
ことばの景色
宋の国に、畑をたがやす農夫がいました。ある日、畑の中の切り株に、走ってきたうさぎがぶつかり、首の骨を折って死んでしまいました。農夫は、思いがけずうさぎを手に入れました。
それからというもの、農夫はすきを置いて畑仕事をやめ、切り株のそばで、またうさぎがぶつかってくるのを待ちつづけました。けれども、うさぎは二度と来ませんでした。農夫は国じゅうの笑いものになってしまいました。
この話は、思想家の韓非が、むかしのやり方をそのまま今の世に当てはめようとする人たちを戒めるために使ったものです。「株」は切り株、「守る」は見はって待つことです。
たとえば、「前にヤマをはった問題がテストに出たからといって、また同じところだけ勉強するのは、守株と同じだよ」のように使います。
考えてみよう
- 問一一度うまくいったやり方を、何度もくり返したことはありますか。
- 問二「続けるべきやり方」と「変えるべきやり方」は、どう見分けますか。
- 問三農夫がもう一度畑に戻るとしたら、どんなきっかけがあればよいと思いますか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——この話は「株を守る」「株を守りて兎を待つ」の形でも知られ、日本では、この話をもとにした子ども向けの歌もよく知られています。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。韓非子・五蠹篇で、宋の農夫が切り株にぶつかったうさぎを見て、また来るのを待ちつづけた話。
原文は
https://zh.wikisource.org/wiki/韓非子/五蠹で確認できます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。意味や使い方は、国語辞典でもお確かめください。