四十四
故事成語・四十四 病膏肓に入る
薬の届かない、体の奥へ。
『春秋左氏伝』より
いまのことば
病膏肓に入るの意味と由来は?
物事に夢中になりすぎて、抜け出せなくなること。
ことばの景色
春秋時代、重い病にかかった晋の君主の夢に、病の精が二人の子どもの姿で現れ、「膏(心臓の下)と肓(横隔膜の上)のあいだに逃げ込めば、名医でも手が出せまい」と話し合うのを見ました。
実際に医者が診ると、病はまさにその「膏肓」に入り込んでおり、治療の手立てがありませんでした——『春秋左氏伝』にある話です。
そこから「病膏肓に入る」は、物事に夢中になりすぎて、もう引き返せなくなることを指す言葉としても使われるようになりました。
考えてみよう
- 問一何かに夢中になりすぎて、抜け出せなくなった経験はありますか。
- 問二「好き」が「病膏肓に入る」ほどになるのは、良いことだと思いますか。
- 問三治療の手立てがないと知った君主は、どんな気持ちだったでしょう。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——「病膏肓に入る」のような故事成語は、二千年以上前の中国の書物にある一場面が、そのまま毎日使うことばになったものです。物語ごと覚えると、忘れず、使いどころも間違えません。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。この回のもとの話は『春秋左氏伝』に記されています。
もとの話を載せる『春秋左氏伝』の版本は、
国立公文書館 デジタルアーカイブ『春秋左氏伝』(内閣文庫蔵・紅葉山文庫旧蔵)で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。