三十一
故事成語・三十一 塗炭の苦しみ
泥にまみれ、火に焼かれるように。
『書経』より
いまのことば
塗炭の苦しみの意味と由来は?
泥にまみれ火に焼かれるような、ひどい苦しみ。
ことばの景色
中国最古の歴史書『書経』には、悪政に苦しむ民のようすを表して「民、塗炭に墜つ」ということばが出てきます。
「塗」は泥、「炭」は燃える炭火のこと。泥にまみれ、火で焼かれるような、逃げ場のないひどい苦しみを表すたとえです。
いまでも、耐えがたいほどの苦しい状況を指して「塗炭の苦しみを味わう」のように使われます。
考えてみよう
- 問一「泥にまみれ、火に焼かれる」という表現から、どんな情景を想像しますか。
- 問二昔の人々にとって、政治はどれほど暮らしに関わっていたと思いますか。
- 問三苦しい状況にある人を、どう助けられるでしょうか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——「塗炭の苦しみ」のような故事成語は、二千年以上前の中国の書物にある一場面が、そのまま毎日使うことばになったものです。物語ごと覚えると、忘れず、使いどころも間違えません。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。この回のもとの話は『書経』に記されています。
もとの話を載せる『書経』の版本は、
国立公文書館 デジタルアーカイブ『書経』(内閣文庫蔵・紅葉山文庫旧蔵)で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。