三十
故事成語・三十 邯鄲の夢
粟飯が炊けるまでの、一生。
『枕中記』より
いまのことば
邯鄲の夢の意味と由来は?
人の栄華ははかない夢のようなものだということ。
ことばの景色
旅の若者が、邯鄲という町の宿で、不遇な身の上を老人に嘆きます。老人は不思議な枕を貸してくれました。若者がうたた寝をすると、夢の中で出世を重ね、富も名誉も手にし、長い一生を生き抜きます。
ところが目覚めてみると、宿の主人が炊いていた粟飯は、まだ炊きあがってもいませんでした。『枕中記』という唐代の物語に伝わる話です。
この話から「邯鄲の夢」は、人の世の栄華は、夢のようにはかないものだという教えとして使われます。
考えてみよう
- 問一もし不思議な枕で一生分の夢を見られるとしたら、どんな人生を見てみたいですか。
- 問二「はかない」とは、どういう意味だと思いますか。
- 問三若者は、夢から覚めたあと、どんな気持ちになったと思いますか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——「邯鄲の夢」のような故事成語は、二千年以上前の中国の書物にある一場面が、そのまま毎日使うことばになったものです。物語ごと覚えると、忘れず、使いどころも間違えません。
原文について
この記事が扱っている
『故事成語』は、中国の古典に由来する言い回し。この回のもとの話は『枕中記』に記されています。
もとの話を載せる『枕中記』の版本は、
国立公文書館 デジタルアーカイブ『枕中記』(内閣文庫蔵)で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。
表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。