無料会員登録
小6・国語・文章全体の要旨ようしと図表

なぜ二つの論説を表と合わせて読むの?

小6国語で、文章全体の要旨ようしと、文章・図表の関係を学びます。自作の道具貸出についての二つの論説を、同じ記録表へ照らして読みます。三つの練習で、事実と判断を分け、必要な情報と論の進め方を根拠こんきょで説明します。

こたえ

同じ表を根拠こんきょにしても論説が注目する点や判断は違ちがうため、文章全体と対応させると要旨ようしや論の進め方を捉とらえられるからです。主張、事実、理由の関係を比べます。

表でみる

文章全体の要旨ようしと図表を整理する
見るところ内容や働き
記録表実施じっし前は貸出十二・返却へんきゃく確認八、実施じっし後は二十・十八
論説A利用の広がりから案内を続ける提案
論説B確認件数から返却へんきゃくの手順を整える提案
要旨ようし中心の主張とそれを支える理由

わけを考えよう

二つの文章と記録をそろえる

学習内容を整理すると、要旨ようしは、文章が取り上げる内容や書き手の考えの中心となる事柄ことがらです。文章と図表を結び付けるときは、本文のどこを図表が示すかを確かめ、必要な情報や論の進め方を捉とらえます。以下で「自作」「架空かくう」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。教材用の架空かくうの道具貸出記録を使います。案内カードを置く前の一週間は、貸出十二件、返却へんきゃくの確認八件でした。置いた後の一週間は、貸出二十件、返却へんきゃくの確認十八件でした。各週で貸した道具は、その週の終わりに返す決まりとした教材内の条件です。論説Aは「案内後に貸出が十二件から二十件へ増えた。使う人が広がったと考え、案内カードを続けたい。今後は使った人の感想も集め、案内を整えよう」です。論説Bは「案内後は返却へんきゃくの確認が十八件になった。一方、貸出二十件との差は二件ある。次は返す場所と記録の手順をそろえ、道具の行方を確かめやすくしたい」です。二つとも自作の文章です。読む目的は、案内を続ける提案と、返却へんきゃくを整える提案の根拠こんきょを比べることです。記録の期間と条件を先に読むと、文章が使う数の意味を捉とらえられます。

机で、子どもが本2冊と表の絵の紙を並べて見比べる。

事実と判断の関係を読む

Aの事実は、貸出が十二件から二十件へ増えたことです。「使う人が広がった」はその数からの判断です。貸出の件数と使った人の人数は別の情報なので、実際に人数を確かめるには利用者の記録も調べる課題があります。Bの事実は、返却へんきゃくの確認十八件と貸出二十件との差が二件であることです。「手順をそろえたい」はそこからの提案です。差の二件がどの状況じょうきょうかは、まだ道具の確認記録から調べる必要があります。返しているが記入待ちなのか、返す時を待っているのかなど、可能性を挙げて読む活動ができます。二つの文章で「事実」「判断」「提案」に当たる言葉を抜ぬき出します。判断へつなぐ根拠こんきょがどこまでを説明するかも、表へ戻もどって確かめます。文章を読み取るとは、数を見付けることに加え、その数をどう使って考えを述べているかを捉とらえることです。

要旨ようしと論の進め方を比べる

Aの要旨ようしは「貸出が増えたことを基に案内カードを続け、感想も集めて整えたい」です。Bの要旨ようしは「貸出と返却へんきゃく確認の差に注目し、返す場所と記録の手順をそろえたい」です。要旨ようしは文章全体で中心となる考えを短くまとめたもので、選ぶ根拠こんきょも合わせると、二つの違ちがいが伝わります。Aは実施じっし前後の変化→判断→継続けいぞくと改善へ進みます。Bは実施じっし後の二つの値→差への注目→手順の改善へ進みます。Aが時間の前後を比べ、Bが同じ週の貸出と返却へんきゃく確認を比べるという、論の進め方の違ちがいがあります。題を付けるならAは「案内を続けて利用を整える」、Bは「返却へんきゃくの記録をそろえる」と考えられます。題を付けた後に、選んだ材料が中心に対応するか本文へ戻もどります。短くまとめるときも、文章の判断と自分の賛成意見を区別して書きます。

目的に合う情報を選ぶ

案内を続けるか考える目的なら、Aの貸出の前後の値と、感想を集める提案が材料になります。返却へんきゃくの手順を考える目的なら、Bの貸出と確認の差、場所と記録をそろえる提案が材料になります。二つを合わせた自分の考えは〈案内を続けて感想を集めつつ、返す場所と記録の手順も整えたい〉とまとめられます。その際、AやBのどの叙述じょじゅつを根拠こんきょにしたかを明示します。表を読む問いを〈増えた値は何か〉〈同じ週の差は何か〉と分けると、文章が必要とする情報を選べます。次に確かめることとして、使った人数や、二件の確認状況じょうきょうを挙げられます。文章と図表を結ぶことは、文章の数字を表へ探す作業に加え、主張を支える役割と、読み取れる範囲はんいを検討する活動です。全体の構成、要旨ようし、論の進め方をまとめて見直すと、同じ資料から生まれる異なる提案を比べられます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及および第6学年には「文章全体の構成を捉とらえて要旨ようしを把握はあくすること。」とあります。

もっと知りたい人へ

中学2年では、観点を明確にして文章を比較ひかくするなどし、文章の構成や論理の展開、表現の効果を考えます。同じ資料から異なる考えが生まれる点を読む経験は、自分の判断を組み立てる助けになります。この学びを、中学校の叙述じょじゅつから要旨ようしを捉とらえる学習から、高校の「現代の国語」で文章や図表を結び付けて論理の展開を評価する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項じこうを踏ふまえた、この教材の編集上の見通し)。

やってみよう

問題1

AとBは記録の何をそれぞれ比較ひかくしていますか。

こたえを見る

Aは案内前後の貸出件数、Bは案内後の貸出件数と返却へんきゃく確認件数。

時間の前後と同じ週の二つの値という違ちがいを読みます。

問題2

Bの「差は二件」を表の値から確かめましょう。

こたえを見る

貸出二十件−返却へんきゃく確認十八件=二件。

Bが使う二つの値を選びます。

問題3

Aの判断「使う人が広がった」を確かめるために必要な情報を挙げましょう。

こたえを見る

使った人の人数の記録。

貸出件数と利用者人数を区別します。

よくある質問

学んだことをどう確かめる?

本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。

出典

関連