なぜ言葉の違いを場面と相手で調べるの?

小6国語で、時間や世代による言葉の違いと、共通語・方言の役割を学びます。自作の聞き取り記録を公的な解説と合わせて読みます。誰がどの場面で使う語かを確かめる三つの練習で、言葉を調べて使い分ける方法を考えます。
こたえ
言葉の使われ方は相手や場面にも関わるため、条件をそろえて調べると違いの意味を捉えられるからです。聞いた語、使用者、場面、意味を組にして記録します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 時間 | 同じ語の昔と今の用例を比べる |
| 世代 | 同じ場面で使う語を尋ねる |
| 共通語 | 地域を越えて伝える役割を考える |
| 方言 | 地域の言葉として場面と意味を記録する |
わけを考えよう
聞き取りの条件をそろえる
学習内容を整理すると、言葉の世代による違いを調べるときは、使う場面や相手も考えます。共通語と方言は比べて、それぞれの特質やよさと使う場面を考えます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。教材用の架空の聞き取り記録を読みます。場面は学校の催しを友達へ知らせることです。ある六年生は「写真を送って知らせる」、ある大人は「写真を添えて案内する」と答えました。次に家族へ口頭で伝える場面では、二人とも「写真を見せて話す」と答えました。この記録は、調べ方を考えるために作った架空の例です。初めの二つだけを見ると、「送る」「添える」という語の違いへ目が向きます。二つ目の場面も合わせると、同じ語を使う場面もあると分かります。「子どもはいつもこの語、大人はいつも別の語」と広げる前に、相手、手段、目的をそろえて聞きます。「友達へ書いて伝えるときは、どう言いますか」と問いを具体的にする方法があります。使った語を記録することと、その違いを説明することを分けましょう。

時間の変化を用例で比べる
時間の経過による変化を調べるときも、語が使われている前後の文を確かめます。架空の資料Aは昔の交流会の記録で「知らせを回す」、資料Bは今の交流会の記録で「案内を共有する」とあります。これも教材内の自作資料です。同じ催しの情報を人へ届けるという共通点と、「回す」「共有する」という表し方の違いを比べます。文だけから通信の道具や利用者数まで決める場合には、さらに資料を集めます。実際の言葉の由来を調べるなら、学校図書館の辞典などで、語の意味と使われた例を確認し、資料名と該当箇所を残します。調べた説明と、自分が家で聞いた用例を組にすると、どの意味で使う語かが捉えられます。語の由来、昔の使い方、今の文脈という三つの欄を作り、確かめた内容を入れます。見つけた用例の範囲を保つことが、言葉の変化を丁寧に調べる方法です。
共通語と方言の働きを考える
国立国語研究所は、共通語を地域社会の調査の中で〈全国どこでも通じることば、東京語に近いが、必ずしも一致しない〉ものとして扱った経緯を説明しています。 国立国語研究所 ことば研究館 共通語と標準語には「全国どこでも通じることば、東京語に近いが、必ずしも一致しない」とあります。共通語は地域を越えて伝え合う場面、方言は土地の言葉として親しい人同士で話す場面など、使う相手や場を考えて学べます。家で聞いた地域の言葉を調べるなら、〈どんな意味ですか〉〈どんな時に使いますか〉〈共通語で言うとどうなりますか〉と尋ねます。方言は音、語、文の形へ目を向けて調べられます。聞いた語を単に置き換える活動に加え、どんな気持ちやつながりを感じるかも、話す人に確かめましょう。調査の記録では、本人の説明と自分の感想を別の欄へ書きます。
使い分けを目的へ結ぶ
架空の催しの案内では、地域の人へのあいさつに聞き慣れた語を用い、遠くから来る人への日時や会場の説明には共通語を使う案を考えられます。地域の語を紹介する欄へ、意味と使う場面を添える方法もあります。大切なのは、相手が必要な内容を理解し、言葉に親しめる形を選ぶことです。自分の聞き取りの結論は、〈今回の二人の記録では、書く場面で語が違い、口頭で家族へ話す場面では同じ表現があった〉とまとめられます。使用者が二人であることと、どの場面を比べたかが伝わります。実際の調べ学習では、協力する人へ目的を伝え、同じ問いで得た例を比べます。記録には意味、場面、相手、用例、確認した資料をそろえます。語の由来への関心、時代や世代の違いへの気付き、共通語と方言の理解を結び付けると、言葉を使い分ける理由を説明できます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「語句の由来などに関心をもつとともに,」とあります。
もっと知りたい人へ
中学1年では共通語と方言の果たす役割を理解し、中学3年では時間の経過による言葉の変化や世代による違いを理解します。用例と条件を記録する方法は、語の意味を調べて文章へ生かすときにも役立ちます。この学びを、中学校の時間による言葉の変化を理解する学習から、高校の「言語文化」で時代や地域による文字と言葉の変化を考える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
架空の二人の回答で、同じ表現になった場面は何ですか。
こたえを見る
家族へ口頭で伝える場面。
場面の条件と語を組にして比べます。
問題2
地域の言葉を聞いたとき、意味以外に確かめることを一つ挙げましょう。
こたえを見る
例:どんな時に、誰と話すときに使うか。
使用場面や相手が、使い分けの材料になります。
問題3
遠くから来る人への案内で、地域の語を紹介する工夫を書きましょう。
こたえを見る
例:地域の語に共通語での意味と使う場面を添える。
伝わる説明と地域の言葉への親しみを結びます。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (3)ウ(「語句の由来などに関心をもつとともに,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 国立国語研究所「共通語」と「標準語」の解説
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF132頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 中1・共通語と方言(PDF32頁)