なぜ昔の言葉は声と見方を合わせて読むの?

小6国語で、古文・漢文・近代の文語調の文章の響きに親しみます。公的資料などの短い原文を音読し、季節・学び・心情への見方を比べます。三つの練習で、昔の言葉のまとまりと、自分が感じたことを根拠と結びます。
こたえ
言葉の響きと内容を結ぶと、昔の人が何に心を向けたかを具体的に想像できるからです。短い原文と解説を往復し、声のまとまりや今の自分の感じ方を比べます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 古文 | 「やうやう白くなりゆく山ぎは」を音読する |
| 漢文 | 「学びて時に之を習う」を音読する |
| 文語調の短歌 | 「われ泣きぬれて」を音読する |
| 比較 | 見るもの・行動・気持ちを根拠で結ぶ |
わけを考えよう
古文の情景を声にする
学習内容を整理すると、古文や漢文、近代以降の文語調の作品を声に出して、言葉の響きやリズムに親しみます。作品の解説を読むときは、昔のものの見方や感じ方を知り、今の自分と比べます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。古文は昔の日本語で書かれた文章です。『枕草子』の短い部分を読みます。〈やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。〉環境省の掲載文では、清少納言の『枕草子』の言葉として、この情景と現代語での説明が示されています。 環境省 東北地方環境事務所〈春はあけぼの〉には「やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、」とあります。この掲載箇所を基に、〈やうやう〉はここでは〈ようよう〉、〈山ぎは〉は〈やまぎわ〉と声に出します。少しずつ明るくなる山の際と、横へ細く伸びる雲を想像しましょう。教材の読み方の提案として、山の際を表すまとまりと、雲を表すまとまりの間に間を置きます。空の色や形へ目を向ける見方を、本文のどの語から感じたかも記録します。

漢文の言葉をまとまりで読む
漢文は中国の古い文章で、日本語の読み方へ整えた文を声に出して親しめます。『論語』の〈学びて時に之を習う、亦た説ばしからずや。〉を使います。岩国短期大学の解説は、この言葉を、学んだことの復習や実践と結び付けています。 岩国短期大学 建学の精神及び教育理念には「学びて時に之を習う、亦た説ばしからずや。」とあります。読みの助けとして〈まなびて/ときにこれをならう、/またよろこばしからずや〉と区切って試します。これは教材で示すまとまりの案です。〈之〉はここでは〈これ〉、〈説ばし〉は〈よろこばし〉と読みます。学びを繰り返し確かめることに喜びを見いだす内容として、解説と合わせて捉えます。自分が覚えた方法を使って分かった経験を短く書くと、昔の学びへの見方と今の経験を比べる材料になります。
文語調の短歌の心情を読む
近代以降にも、昔の言い方を使う文語調の作品があります。石川啄木の短歌〈東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる〉を、青森県近代文学館の歌碑紹介で確かめます。 青森県近代文学館 石川啄木歌碑には「われ泣きぬれて」とあります。斜線は教材でまとまりを示すために付けています。〈とうかいの/こじまのいその/しらすなに/われなきぬれて/かにとたわむる〉と、音のまとまりを感じながら読めます。〈たはむる〉はここでは〈たわむる〉と声に出し、たわむれる様子を想像します。〈泣きぬれて〉は涙を流す人物の心情を読む根拠になります。白い砂、涙、蟹という描かれたものを組にして、人物がどんな場面にいると想像したかを説明しましょう。これは原文からの読みの活動で、人物の暮らしや作者の生涯を推測で補う活動とは区別します。
三つの見方と響きを比べる
古文の短い部分は光や雲の変化、漢文の言葉は学ぶ行動、文語調の短歌は砂浜にいる人物の心情へ目を向けています。まず解説を読み、内容の大体を自分の言葉で述べます。次に原文へ戻り、意味のまとまりを声にします。〈少し明かりて〉ではゆるやかな変化、〈時に之を習う〉では行動のまとまり、〈われ泣きぬれて〉では人物の心情を、それぞれどんな声で届けたいか考えられます。読み方を一つ選び、根拠の語とともに友達へ伝えます。古文・漢文・文語調という種類を比べるときも、同じ季節や同じ気持ちを表しているとまとめる前に、各原文の描く内容を確かめましょう。昔の表記と声に出した音の違いも学びの材料です。今の自分の感じ方を、原文の見方と比べて短く書くと、響きと内容の両面から古典へ親しめます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「言葉の響きやリズムに親しむこと。」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校で古典を読むときは、文脈と言葉の意味をさらに確かめます。短い原文の響きと解説を結ぶ経験は、時代の違う文章への親しみにつながります。この学びを、中学校の文語のきまりや訓読の仕方を知って音読する学習から、高校の「言語文化」で古典の表現や歴史的背景を理解する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
『枕草子』の引用で、時間とともに変わる山の際の様子を示す言葉を挙げましょう。
こたえを見る
「やうやう白くなりゆく」「少し明かりて」など。
明るさの変化を表す叙述へ戻ります。
問題2
『論語』の短い言葉を、この教材の読みの助けを使って声に出し、何を喜びと捉えるか説明しましょう。
こたえを見る
例:学んだことを繰り返し確かめ、実践することの喜び。
原文と掲載解説を合わせて捉えます。
問題3
短歌から心情を想像する根拠を一つ挙げ、想像を説明しましょう。
こたえを見る
例:「われ泣きぬれて」から、涙を流している人物を想像する。
描かれた行動を根拠とし、想像との関係を示します。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (3)ア・イ(「言葉の響きやリズムに親しむこと。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 環境省「春はあけぼの」
- 岩国短期大学 建学の精神及び教育理念
- 青森県近代文学館 石川啄木歌碑
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF131頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF32頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF38頁