なぜ読み手の感想で文章全体を直すの?

小6国語で、構成や表現に着目した推敲と、文章への感想の交流を学びます。自作の委員会提案を第三者の疑問から読み直します。三つの練習で、よいところを残し、根拠・方法・結論の対応を整える理由を説明します。
こたえ
読み手の疑問と自分の目的を比べると、論のつながりや表現を具体的に整えられるからです。文章のよいところを確認し、全体へ戻って直す位置と方法を決めます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 目的 | 何を検討してもらう文章か |
| 感想 | 分かったことと知りたいこと |
| 推敲 | 根拠・方法・結論の対応を直す |
| 確認 | 直した理由と残したよさを説明する |
わけを考えよう
原稿の中心とよさを読む
学習内容を整理すると、推敲では、文章全体の一貫性、目的に合う構成、事実と意見の区別などを確かめて整えます。文章を読み合う交流では、構成や展開について具体的な感想を伝え合い、よいところを見付けます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。自作の委員会提案を読みます。「休み時間の相談窓口を週一回作る。学級で困り事を聞くと、道具の使い方の質問が出た。窓口があると、いろいろ相談できる。係が集まって話を聞く。相談しやすい学校へつなげたい。」これは架空の原稿です。書き手の目的は、道具の使い方を尋ねる機会を提案し、係に計画を検討してもらうことです。よいところは、最初に提案があり、最後に目指す姿が示されている点です。一方、調べた質問は道具の使い方、途中の窓口は「いろいろ相談できる」と範囲が広がっています。係は、何の質問へ答え、どの仕事を担うかを知りたいと考えられます。推敲(文章を読み直して整えること)は、語の置き換えに加え、中心と根拠、実行方法、結論の対応を確かめる活動です。目的と原稿を先に並べると、直す基準を持てます。

第三者の疑問を分ける
架空の読み手Aの感想は「最初に窓口の提案が分かる。道具の質問と、いろいろな相談とのつながりを知りたい」です。読み手Bは「係がいつどこで集まるかが分かると、仕事を考えやすい」と述べました。Aの初めの文は文章のよさ、次の文は範囲への疑問、Bの文は方法への疑問です。感想を分類し、「自分の目的に照らしてどの内容を足すか」を書き手が考えます。窓口を道具の質問に絞る案なら、途中の表現を「道具の使い方を聞ける」と整えます。さまざまな相談へ広げる案なら、別の質問の調査や担当の材料を追加する課題が生まれます。感想を受けて、選択肢と必要な根拠を比べましょう。読んだ人の言葉をそのまま全部足すより、中心の目的と対応する箇所を選ぶと、文章全体の筋道が整います。
方法を加えて結論へ結ぶ
目的に沿って道具の質問に絞った自作の修正版は、「道具の使い方を尋ねる窓口を週一回、昼休みの初めに多目的室で試す。学級で質問を集めると、道具の使い方に関する内容があったためだ。係二人が説明のカードを使って話を聞き、次に調べる質問を記録する。使った人の感想を集め、相談しやすい方法へ整える」です。回数、時刻、人数は教材内の架空の条件として加えています。根拠は道具の質問、方法はカードで説明する窓口、最後は感想で方法を整えるという対応ができます。Aの疑問へは相談の範囲をそろえること、Bの疑問へは時と場所を加えることで答えています。「質問を集めると」という調査の範囲も、実際に報告する場合には対象や方法を示します。ここでは元の原稿の最初の提案と最後の目的を生かし、その間のつながりを具体化しています。
直した理由を交流する
修正版を読み手へ渡し、〈範囲を道具の使い方へそろえ、窓口を開く時と場所を加えた〉と変更の理由を述べます。読み手は〈何をするか〉〈何が根拠か〉〈どのように試すか〉を言い返し、書き手の意図と比べます。表現の点検では、〈いろいろ〉〈ちゃんと〉のような広い語を、今回の行動や対象へ具体化する案を検討できます。結論を直したときは、途中の理由や方法にも対応する変更が要るか、全体を読み返します。推敲メモは、感想の言葉、直した箇所、直す理由、残したよさの四欄にできます。〈最初に提案が分かる〉というよさを残せたかも最後に確かめましょう。感想の交流は、自分の文章を違う立場から読む材料になります。書き手が目的を持ち、第三者の読みと本文を往復することで、構成と書き表し方を合わせて整えられます。完成した文章にも、次に確かめる課題を記録できます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「文章全体の構成や書き表し方などに着目して,」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校では文章の論理や根拠を検討して推敲します。感想、目的、直した理由を組にする方法は、読み手へ考えを明確に伝える手掛かりになります。この学びを、中学校の読み手の助言を踏まえて文章のよさや改善点を見付ける学習から、高校の「現代の国語」で文章全体を整え特長や課題を捉え直す学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
読み手Aが挙げた元の原稿のよいところを答えましょう。
こたえを見る
最初に窓口の提案が分かること。
改善点に加え、残すよさも確認します。
問題2
「いろいろ相談できる」を道具の質問へ範囲をそろえて直しましょう。
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例:道具の使い方を聞ける。
根拠の範囲と窓口の目的を対応させます。
問題3
修正版は読み手Bの疑問へどう答えましたか。
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週一回、昼休みの初め、多目的室という時と場所を示した。
感想の疑問と追加した方法を結びます。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 B 書くこと (1)オ・カ(「文章全体の構成や書き表し方などに着目して,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF147頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF148頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁