なぜ読み手の疑問で文章の展開を組むの?

小6国語で、筋道の通る文章全体の構成と展開を学びます。自作の校内提案と経験文を、読む人が知りたいことの順で設計します。三つの練習で、結論・理由・経験の役割を確かめ、目的に合う段落のつながりを選びます。
こたえ
読み手の疑問に答える順で段落を結ぶと、中心の考えがどの理由や経験から生まれたかを追いやすくなるからです。提案と経験文の目的に応じて、各段落の役割を決めます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 提案 | 何をする→なぜ→どう行う→確かめ方 |
| 経験文 | 出来事→転機→考えの変化→今の意味 |
| 段落 | 一まとまりの内容と役割を決める |
| 点検 | 前後がどの疑問でつながるか言う |
わけを考えよう
目的と読み手の疑問を並べる
学習内容を整理すると、文章の構成や展開を考えるときは、考えと理由、原因と結果などのつながりを意識して、全体の筋道を整えます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。自作の提案「展示カードに見る順を付けよう」と、経験文「読み手の声で説明を変えた日」を比べます。提案を読む係は、「何を変えるのか」「なぜその方法か」「どんな仕事が増えるか」「どう確かめるか」を知りたいと考えられます。経験文を読む友達は、「どんな出来事があったか」「何がきっかけで変わったか」「自分にどんな意味があったか」を知りたいと考えられます。どちらも教材用の架空の場面です。同じ展示の出来事を材料にしても、実行を検討してもらう提案と、経験から得た考えを伝える文章では、段落の中心が違います。目的を一文にし、読み手の疑問をカードへ書きます。疑問の順を考えると、材料を集めた順をそのまま使う場合と、読む人に合わせて組み直す場合を比べられます。

提案の段落を結ぶ
提案の段落Aは「カードに一から三の見る順を付ける」、Bは「自作の見学記録で、十人のうち六人がどこから読むかを係に尋ねた」、Cは「説明の初めに番号を入れ、カードの位置をそろえる」、Dは「次の見学で、読む順の質問と感想を係が記録する」です。数字は架空の条件です。A→B→C→Dなら、何をするかを先に知り、その理由と実行方法を読めます。B→A→C→Dなら、見学の様子から課題を理解し、提案へ進めます。どちらも根拠と提案の関係が分かるように言葉を添えます。Aの後にBを置くなら「この方法を考えた理由は」、Bの後にAを置くなら「この様子から」と結べます。Dは、試した後に何を見るかを示す役割です。並べる順を選ぶ理由を、相手が最初に知りたい情報へ結び付けて説明しましょう。
経験文の転機を具体化する
経験文の自作材料は「初めは自分の作業順でカードを書いた」「見学した低学年の友達が、最初に見る場所を尋ねた」「友達と一緒に読む順を考えて番号を付けた」「読む人と確かめることが説明づくりの助けになると考えた」です。出来事の時間順にすると、行動と考えの変化を追えます。最初に「読む人と一緒に説明を作る大切さを学んだ」と置いてから、経験を述べる構成も使えます。どちらの場合も、転機(考えが変わるきっかけ)として友達の問いを具体的に描きます。「分かりやすくなった」だけで進める代わりに、「番号を見ながら順に読めたと友達が伝えた」という自作の場面を置くと、結果と考えのつながりが見えます。経験の説明に必要な詳しさを選び、作業の細かな手順をどこまで書くかも文章の目的へ照らして決めます。
段落の役割を読み返す
構成メモへ各段落を一文で書き、矢印の横に〈理由を示す〉〈方法へ進む〉〈考えの変化を示す〉と記します。提案なら、実行方法が理由と対応しているかを確かめます。経験文なら、最後の考えが途中の出来事からどう生まれたかを確かめます。友達には本文を読む前に構成メモを見てもらい、どんな疑問が解けそうかを尋ねる方法があります。本文を書いた後は、一段落ずつ中心の言葉を選び、全体の目的と並べます。たとえば題は見る順の工夫なのに、途中の段落が材料の購入ばかりを説明していれば、その役割を選び直す材料になります。段落を削る、短くする、別の段落へまとめるなど、目的に合う手立てを選べます。中心、根拠、方法、経験、考えの変化を、読み手がたどれる順で結びましょう。構成と展開を考えるとは、各段落の位置と働きを全体の中で決めることです。感じたことや想像したことを短歌や俳句にする創作活動もあります。この教材では、展示を読み合って考えが変わった経験を、一首の短歌にする課題へ進みましょう。きっかけとなった言葉と変わった考えをメモし、声に出して五・七・五・七・七の音へ整えます。最後に、どの語へ景色や気持ちを込めたかを説明し、友達の感想を聞いて語を選び直します。これは教材で作った創作課題で、作例を写す練習から自分の表現を作る活動へ進みます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「文章全体の構成や展開を考えること。」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校では読み手や目的に応じて文章の構成を工夫します。段落の役割を一文で言う方法は、長い意見文や経験を伝える文章を整えるときにも使えます。この学びを、中学校の段落の役割を意識して構成や展開を考える学習から、高校の「現代の国語」で論理の展開や情報の分量を考えて書く学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
段落Aを先に置く構成で、読み手が最初に知る内容は何ですか。
こたえを見る
カードに一から三の見る順を付けるという提案。
各段落の役割を確かめます。
問題2
経験文で考えが変わる転機となった出来事は何ですか。
こたえを見る
低学年の友達が最初に見る場所を尋ねたこと。
行動の変化へつながるきっかけを選びます。
問題3
段落BからAへ進むときの接続を、関係が伝わるように書きましょう。
こたえを見る
例:この様子から、カードに一から三の見る順を付けることを提案する。
観察の記録が提案の理由になる関係を示します。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 B 書くこと (1)イ(「文章全体の構成や展開を考えること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF145頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁
- 小学校国語編解説 PDF149頁