なぜ二つの変化は別の原因も考えるの?

小6国語で、原因と結果などの情報の関係を学びます。自作の読書会の記録を、参加と貸出の変化だけでなく、案内や展示の条件も合わせて読みます。関係図を作る三つの練習で、資料から言えることと確かめることを整理します。
こたえ
二つの変化には共通の原因や別の説明も考えられるため、条件を関係図にすると根拠に合う考えを組み立てられるからです。記録の事実と原因についての考えを分けます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 事実 | 同じ期間に記録された変化 |
| 原因の候補 | 変化を起こしたと考える条件 |
| 共通原因 | 二つの変化の両方へ関わる条件 |
| 追加確認 | 時期や範囲を比べる資料 |
わけを考えよう
同時の変化を事実として読む
学習内容を整理すると、原因は物事や状態を引き起こすもとで、結果はその原因によって生じた事柄や状態です。情報を図に整理するときは、語句を囲み、線で関係を示す方法があります。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。教材用の架空の記録を使います。ある学級の読書会参加者は、前の週が八人、次の週が十四人でした。同じ学級の図書室の貸出冊数は、前の週が十冊、次の週が十八冊でした。次の週には、新しい展示と読書会の案内が同じ月曜日に始まっています。記録Aは参加と貸出の数、記録Bは展示と案内の開始日です。「参加者が六人増えた」「貸出が八冊増えた」は記録から計算できる事実です。「読書会への参加が貸出を増やした」は、原因についての考えです。数の変化とその説明を分けましょう。二つの数が同じ方向へ変わるとき、片方がもう片方へ影響する説明を考えられます。さらに別の条件も、記録にある材料として取り上げます。どの期間、どの学級の記録かをそろえると、関係の範囲が見えてきます。

共通する条件を図にする
関係図の案を二つ作ります。図Aは「読書会への参加→本への関心→貸出」と結ぶ説明です。図Bは「新しい展示→本への関心→読書会への参加」と「新しい展示→本への関心→貸出」の二本を結ぶ説明です。図Bの展示は、二つの変化に共通して関わる原因の候補です。さらに「案内を見た→読書会へ参加」という線も考えられます。ここで矢印は、教材の記録を基に考えた影響の向きを示す記号です。実際に確かめた関係か、これから確かめる考えかを、線の横へ言葉で記します。「原因の候補」と書けば、図の形と確認の段階がそろいます。同じ資料から複数の図を作ると、何を追加で知れば説明を比べられるかが分かります。前後の数と、途中にどんな行動が起きたかを言葉へ表すと、因果(原因と結果)の説明が具体的になります。
追加の記録を選ぶ
図Aを検討するなら、参加者が読書会の前と後のどちらで借りたか、読書会で紹介した本を借りたかを調べる材料が役立ちます。図Bなら、展示を見た人と見た時期、読書会への参加や貸出との関係を確かめます。案内の働きなら、参加のきっかけを尋ねる方法があります。架空の追加記録として「新しく参加した六人のうち四人は、展示を見て参加したと答えた」とします。これは本人の回答として、回答した人と参加のきっかけの範囲で使います。「六人のうち四人がそう答えた」という範囲で使います。この記録から図Bを検討する手掛かりを得られますが、貸出のきっかけは別に確かめる課題です。知りたい関係と必要な記録を組にし、回答、観察、数の集計のどの方法で得た情報かも書くと、資料の役割が明確になります。
根拠に合う表現でまとめる
まとめの自作例は〈読書会の参加者と貸出冊数は、ともに次の週に増えた。同じ週に始まった展示と案内も、変化へ関わる条件として考えられる。新しく参加した六人のうち四人は展示がきっかけと答えたため、貸出のきっかけも確かめたい〉です。記録の事実、原因の候補、追加記録、次に確かめる関係を順に示しています。〈だから〉とつなぐ場合は、前の文が後の文の理由を支えるかを確認しましょう。〈展示が始まった。その週に貸出が増えた〉という時間の順と、〈展示を見て本を借りた〉という行動を確かめた説明には、根拠の違いがあります。資料へ戻り、自分の関係図の各線に対応する記録を置きます。根拠がそろう線と、追加の材料を集める線を分けて整理すると、読み手も考えの過程を追えます。複数の説明を比べることは、情報を関係付けるときの大切な工夫です。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「原因と結果など情報と情報との関係について理解すること。」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校では情報同士の関係を確かめ、根拠の確かさを考えます。複数の原因の候補と追加の資料を整理する習慣は、報告や意見を読むときにも役立ちます。この学びを、中学校の原因と結果や意見と根拠を捉える学習から、高校の「現代の国語」で主張と論拠や推論を考える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
参加者と貸出冊数は、それぞれいくつ増えましたか。
こたえを見る
参加者は六人、貸出は八冊増えた。
十四−八、十八−十で計算します。
問題2
図Bで二つの変化に共通して関わる原因の候補は何ですか。
こたえを見る
新しい展示。
展示から参加と貸出へ二本の経路を考えています。
問題3
「四人が展示を見て参加したと答えた」という記録の範囲を説明しましょう。
こたえを見る
新しく参加した六人のうち四人の回答で、貸出のきっかけは別に確かめる。
誰の回答で何の行動を説明する情報かをそろえます。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (2)ア・イ(「原因と結果など情報と情報との関係について理解すること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF128頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF129頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF32頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF35頁