なぜ文章の種類に合わせて順を選ぶの?

小6国語で、語句の係り方や語順、文の接続と文章の種類を学びます。自作の校内調査を説明・報告・提案の目的に応じて組み直します。読み手の疑問と文の関係を確かめる三つの練習で、内容が伝わる展開を選びます。
こたえ
説明・報告・提案では読み手へ届けたいことが違うため、材料の順と文のつなぎを目的に合わせると理解しやすくなるからです。語句の係る先を確かめ、文から文章全体へ順序を整えます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 説明 | 仕組みや方法の順を示す |
| 報告 | 目的・方法・結果・考察を結ぶ |
| 提案 | 提案・根拠・実行方法を結ぶ |
| 接続 | 追加・対照・理由などの関係を示す |
わけを考えよう
同じ材料から目的を選ぶ
学習内容を整理すると、語句の係り方には、主語と述語、修飾する語と受ける語などの関係があります。文と文の接続は前後の文のつながりで、構成や展開は文章の組立てや論の進め方です。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。校内の忘れ物掲示について、教材用の架空の材料を使います。材料Aは「掲示には拾った日と場所を記す」という仕組みです。材料Bは「二週間、掲示を見たかを二十人に尋ね、十二人が見たと答えた」という調査結果です。材料Cは「入口にも案内を置く」という提案です。説明文なら「どう掲示するか」を知ってもらい、報告文なら「何をどのように調べ、どんな結果を得たか」を伝え、提案文なら「どう改善したいか」を考えてもらいます。同じ三つの材料でも、中心に置く情報と順序が変わります。説明・報告・提案はここで比べる文章の種類で、実際の文章ではいくつかの働きが組み合わさることもあります。まず読む人に、方法を理解してもらうのか、結果を知ってもらうのか、行動を検討してもらうのかを決めましょう。目的を一文で書くと、文章の中心が選べます。

語順と係る先を確かめる
「係は入口で見つけた帽子の場所を記した」という文を考えます。「入口で」は「見つけた」にも「記した」にもつながる読み方を検討できます。拾った場所を入口と伝えるなら「係は、入口で見つけた帽子について、拾った場所を記した」と書けます。記す作業を入口でしたと伝えるなら「入口で、係は帽子を拾った場所を記した」と組み直せます。さらに「係は入口で記入した。帽子を拾ったのは校庭だった」と二文にすると、二つの場所の役割が明確です。修飾語の位置や読点、文を分ける工夫を目的に合わせて選びます。言葉の順を変えたときには、誰が、どこで、何をしたかを問い返しましょう。文の中の関係を確かめる作業が、段落に材料を置く土台になります。読み手に伝えたい出来事を先に整理し、その関係を語順へ表すと、意図した意味を届けられます。
接続を目的と結び付ける
ここからの対照例では、資料Bに追加する架空の条件として、残る八人が未読と回答したことにします。元の資料の「二十人中十二人が見た」という情報だけで、残る人の回答内容まで決まるわけではありません。報告の自作例は「二十人に尋ねた。そのうち十二人が掲示を見たと答えた。この結果から、案内の置き場所を検討したい」です。「そのうち」は全体と一部を結び、「この結果から」は結果を考察へ結びます。提案の自作例は「入口にも案内を置くことを提案する。二十人への調査で、掲示を見たと答えた人は十二人だったからだ。さらに、案内係が入口で場所を伝える」です。「からだ」は理由、「さらに」は追加の方法を示します。「しかし」を使うなら、前後の対照を確かめます。「十二人は見たと答えた。しかし、八人は未読と答えた」では、回答の違いが対照されています。接続語を入れる前に、二文が理由、追加、対照、順序のどれでつながるかを短く言葉にします。つながりを図へ表してから文章へ戻すと、接続語と内容の組合せを確かめられます。
文章全体の順を試す
仕組みを説明するときは〈拾った日と場所を記す→掲示する→持ち主が係へ確かめる〉の順が使えます。調査を報告するときは〈目的→二十人へ尋ねた方法→十二人という結果→置き場所への考察〉とまとめます。改善を提案するときは〈入口の案内を提案→調査を根拠として示す→係と案内の作り方→実施後の確認〉と進められます。どの順にも役割があります。報告の結果を読む人は調査の範囲を先に知りたくなり、提案を読む人は何を実行するかを早く知りたくなります。相手の疑問を想像して材料の順を選びます。最後に、中心の目的と各段落の役割を対応させましょう。文の語順、文と文の接続、段落の展開という三つの大きさで読むと、同じ材料をどの文章種類へ生かすかが考えられます。友達の読みから生まれた疑問も、順を見直す材料になります。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「文の中での語句の係り方や語順,」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校では文章の種類や構成を比較し、目的に応じた展開を考えます。語順と接続の働きを説明する力は、調査報告や意見文を整えるときにも役立ちます。この学びを、中学校の文の構成や文章の構成・展開を理解する学習から、高校の「現代の国語」で効果的な組立てや接続を考える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
二十人に尋ねた方法と十二人という結果を順に伝える中心の文章種類は何ですか。
こたえを見る
報告。
調査の方法と結果を共有する目的に注目します。
問題2
「さらに、案内係が入口で場所を伝える」の「さらに」はどんな関係を示しますか。
こたえを見る
実行方法の追加。
入口の案内に、案内係の働きを加えています。
問題3
拾った場所が入口だと明確に伝えるよう「係は入口で見つけた帽子の場所を記した」を直しましょう。
こたえを見る
例:係は、入口で見つけた帽子について、拾った場所を記した。
「入口で」を「見つけた」に結び付けます。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
本文の言葉や資料を示し、選んだ理由を説明して確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (1)カ(「文の中での語句の係り方や語順,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF124頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF125頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF35頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF35頁