なぜ提案の前に相手と材料を結び付けるの?

小5国語で、提案の目的と相手を決め、集めた材料を分類して関係付ける方法を学びます。自作の道具置場の相談を使い、誰に何を伝えるかを整理します。話し言葉と書き言葉の違いも比べ、三つの練習で内容の選び方を確かめます。
こたえ
相手にしてほしいことと材料の役割を結び付けると、目的に合う提案を作れるからです。材料を分けた後、どの材料が提案のどこを支えるかを考えます。
表でみる
| 自作の材料 | 提案の中での役割 |
|---|---|
| 道具が別々の棚にある | 今の状態を伝える |
| 片付ける場所を尋ねる声がある | 置場の表示を考える手掛かり |
| 棚の色がきれいだと感じた | 自分の感想 |
| 置場に名前を付けたい | 相手と相談する案 |
わけを考えよう
伝えた後の場面を思い描く
学習内容を整理すると、材料の分類は内容ごとにまとめること、関係付けは材料同士を結んで関係を明らかにすることです。話し言葉は聞き手や場面の影響を受け、書き言葉は繰り返し確かめられるという違いがあります。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。提案は、聞いた人と次の行動を相談するための話です。まず「誰に、何を相談し、どのような状態にしたいか」を書きます。ここでは、学校の道具係が、掃除に使う道具の置場を学級で相談する自作の場面を考えます。目指すのは、みんなが道具を戻す場所を選べるようにすることです。話題は「道具置場の表示」に絞ります。 聞く人は、道具を使う同じ学級の友達です。友達は、実際の棚を知っているかもしれません。一方、どの場所へ何を戻すかは人によって考えが違います。そこで、提案する人は棚の状態を短く確かめ、表示の案を示し、友達の使い方も尋ねます。相手とつながる言葉として「戻すときに分かりやすい表示を一緒に考えたいです」と始められます。

材料を役割ごとに分ける
集めた材料は、見たこと、聞いたこと、自分の感想、自分の案に分けます。「道具が別々の棚にある」は見た状態です。「戻す場所を尋ねる声がある」は聞いたことです。「棚の色がきれいだと感じた」は感想です。「置場に名前を付けたい」は案です。こう分けると、一つの材料が提案の中でどの役割をもつかを説明できます。 次に、分けた材料を目的と関係付けます。置場を選べるようにする目的なら、道具の種類と棚の場所、分かりやすい表示についての材料が役立ちます。棚の色の感想も、色で置場を区別する案を考えるときには使えます。材料を使う理由を「この観察から、表示を付ける場所を考えられる」のように一文で書くと、選ぶ判断がはっきりします。
材料と案の間に道筋を作る
「道具が別々の棚にある」から「すべてを一つの棚へ集めよう」と考える人も、「それぞれの棚に名前を付けよう」と考える人もいます。同じ材料から複数の案を作れます。自分の案を話すときは、材料だけを並べる方法から一歩進め、なぜその案を選んだかを添えます。棚の大きさや使う順番など、案を選ぶために確かめたい条件も出せます。 たとえば「今の棚を使いながら戻す場所を分かりやすくしたいので、道具の名前を表示する案を考えました」と話します。ここでは、棚をそのまま使う条件と、表示を付ける案が結び付いています。「棚の色がきれいだから表示を付ける」と話すなら、色と表示の関係をさらに説明します。相手が材料から案までをたどれることを大切にしましょう。
話す言葉と掲示する言葉を選ぶ
相談の場では、相手の表情を見ながら説明を補えます。「こちらの棚を見てください」と指し示したり、「どこに表示があると戻しやすいですか」と質問したりできます。掲示では、読んだ人がその場で必要なことをつかめるよう、道具の名前と置く場所を文字で具体的に書きます。同じ内容でも伝える方法によって必要な言葉が変わります。 話し言葉の「ここに戻すと分かりやすそうです」を掲示にするなら、「ほうきは入口横の棚へ戻します」と書けます。「ここ」が何を指すかを文字に置き換えています。掲示の文を口で読むときには、「入口横の棚というのは、この棚です」と説明を補えます。声と文字を行き来して、相手が場所を選べる情報になっているかを確かめます。
提案を試して材料を見直す
短い発表を作ったら、聞く役になって読み返します。「何を相談するのか」「どんな材料から考えたのか」「自分に何を尋ねているのか」の三つを確かめます。目的が伝わり、材料と案がつながり、相手が答えやすい問いがあると、相談を進めやすくなります。友達の意見を聞いた後は、案とともに使う材料も見直します。 一人で学ぶときは、紙を二つに分け、左へ材料、右へ案を書き、関係するものを線で結びます。線のそばに選んだ理由を添えましょう。家の共有道具を整理する場面へ変えて、相手を家族にした提案も作れます。相手が変わると、知っている場所や必要な説明も変わります。目的、相手、材料の三つを組にして考える練習になります。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「伝え合う内容を検討すること。」とあります。
もっと知りたい人へ
材料を「見たこと」と「考えたこと」に分ける方法は、調べたことを文章にまとめる場面にも使えるので、材料の役割と結び付け方を説明してみましょう。次の提案では、同じ材料から別の案を作り、どの条件ならそれぞれが役立つかを比べ、相手の意見を受けて材料を加えると、考えを広げられます。この学びを、中学校の目的や場面に応じて材料を整理する学習から、高校の「現代の国語」で様々な観点から情報を集めて伝える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
道具置場の表示を相談する目的を、この場面に合わせて書きましょう。
こたえを見る
みんなが道具を戻す場所を選べるようにすること。
道具の置場を相談した後、どんな状態にしたいかを考えます。
問題2
「棚の色がきれいだと感じた」「置場に名前を付けたい」は、感想と案のどちらですか。
こたえを見る
前者は感想、後者は案。
感じたことと、これから行いたいことを分けます。
問題3
話し言葉の「ここへ戻してください」を、入口横の棚を示す掲示の文へ直しましょう。
こたえを見る
道具は入口横の棚へ戻してください。
指し示す言葉を、場所が伝わる具体的な言葉にします。
よくある質問
材料はたくさん集めるとよい?
集めた後、目的とどう結び付くかを説明できる材料を選びます。条件を確かめるための材料も役立ちます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 A 話すこと・聞くこと (1)ア/知識及び技能 (1)ア・イ(「伝え合う内容を検討すること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF137頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF121頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF141頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF32頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁