なぜ要旨は表と段落を結んで読むの?

小5国語で、文章全体の要旨と図表を結び付ける読み方を学びます。自作の道具利用の説明と架空の記録表を読み、記録・考え・提案の関係を整理します。目的に合う情報を選び、三つの練習で根拠を示して説明します。
こたえ
表の記録が段落の考えをどう支えるかを読むと、文章全体で伝えたいことを捉えられるからです。要旨(文章全体の中心となる内容)には、話題と書き手の考えをまとめます。
表でみる
| 観察の回 | 待っていた人数 | 観察した様子 |
|---|---|---|
| 1回目 | 3人 | 箱の前で待つ |
| 2回目 | 2人 | 箱の前で待つ |
| 3回目 | 1人 | 別の作業をして待つ |
わけを考えよう
自作の説明文を読む
学習内容を整理すると、要旨は、文章が取り上げる内容や書き手の考えの中心となる事柄です。文章と図表を結び付けるときは、本文のどこを図表が示すかを確かめ、必要な情報や論の進め方を捉えます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。次の説明は、この教材で作った道具利用の文章です。「工作道具を順番に使うには、次の人へ知らせる方法を考えることが大切だ。ある係は、三回の工作で道具を待つ人の様子を記録した。表では、初めの二回に箱の前で待つ人がいた。三回目には別の作業をして待つ人がいた。待つ間の過ごし方には違いがある。次に使う人が分かれば、ほかの作業を進めながら待つ予定を立てやすいと私は考える。そこで、道具の箱のそばに順番を書く欄を置く案を提案したい。実際に使った感想も集め、使いやすい知らせ方を相談したい。」表の数も文章の場面も架空のものです。読む目的は、書き手がどんな案を、どんな記録や考えと結び付けているかを知ることです。まず「何について書いてあるか」を一文にし、道具を順番に使う方法という話題を押さえましょう。

記録と考えの関係を見る
説明文の「三回の工作で記録した」「箱の前で待つ人がいた」は、文章内の記録を述べた部分です。「予定を立てやすいと私は考える」は、書き手が記録を受けて考えた部分です。「欄を置く案を提案したい」は、これからの案を示しています。三つを、記録、考え、提案という見出しで整理できます。表の人数は三人、二人、一人です。この値からは、三回の記録で人数が減っていることを読めます。表の様子の欄からは、三回目に別の作業をして待つ人がいたことを読めます。書き手は後者に着目し、順番を知らせる案へ考えを進めています。人数の列だけを見てまとめる場合と、様子の列も見る場合で、捉えられる情報がどう広がるかを比べましょう。本文が指している表の場所を、線で結ぶ方法も使えます。
文章全体の要旨をまとめる
要旨は、話題に沿って、全体の中心となる事柄や考えをまとめたものです。この文章なら、「道具を待つ様子の記録を基に、待つ間の予定を立てやすくするため、順番を知らせる欄を置いて相談する案を述べている」とまとめられます。冒頭は順番に使うための知らせ方という話題を示し、中ほどは記録とその受け止め方を述べ、最後は欄の提案と感想を集める計画を示します。その流れを要旨にも保ちます。「三回目は一人だった」は表の一部分の要点です。それを全体の要旨へ広げるには、その記録が何を説明し、書き手が何を提案したかを加えます。各まとまりを短く書いてから、重なる言葉をまとめると、全体の筋を残した一文が作れます。自分が書いた要旨を本文へ戻して照らし、中心の考えと合うかを確かめましょう。
読む目的で必要な情報を選ぶ
次に、読む目的を変えてみます。「待っていた人数を知りたい」なら人数の列を、「別の作業をして待つ場面を知りたい」なら三回目の様子を、「提案の理由を知りたい」なら、様子の記録と予定を立てるという考えを結び付けます。「欄を置いた後の感想を知りたい」なら、本文の最後を読んで、今後集める計画であることを捉えられます。書き手が記録から案へ進むところでは、「記録されたこと」と「こうすると役立つという考え」の間にどんな道筋があるかを説明しましょう。欄を使った効果を確かめる次の活動として、待つ時間や使った人の感想を記録する案が考えられます。これは、読んだ後に自分が考えた計画として示します。文章の内容を理解した上で、自分の考えをまとめると、本文の説明と自分の提案の両方をはっきり伝えられます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること。」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校で説明文や論説を読むときは、主張と根拠の関係をさらに詳しく確かめます。表のどの項目を使って結論へ進んだかを説明する練習が、その読み方につながります。この学びを、中学校の叙述から要旨を捉える学習から、高校の「現代の国語」で文章や図表を結び付けて論理の展開を評価する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
架空の表で、別の作業をして待つ人がいたのは何回目ですか。
こたえを見る
3回目。
人数と様子を別々に読み、様子の列から選びます。
問題2
書き手が提案している知らせ方は何ですか。
こたえを見る
道具の箱のそばに順番を書く欄を置くこと。
待つ間の予定を立てるという考えにつながる案です。
問題3
この説明文の要旨を、記録と提案を含めて一文でまとめましょう。
こたえを見る
例:待つ様子の記録を基に、待つ間の予定を立てやすくするため、順番を知らせる欄を置いて相談する案を述べている。
表の一部分と、文章全体の中心となる考えを結び付けます。
よくある質問
一人でどう振り返る?
本文の具体例と自分の説明を並べ、どの言葉を根拠に考えたかを確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 C 読むこと (1)ア・ウ(「文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF151頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF152頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF37頁