なぜ書写は紙全体と筆の動きを見るの?

小5国語で、用紙全体を見た文字の配置、書く速さ、毛筆の穂先と点画、筆記具の選び方を学びます。自作の作品案内を使い、目的に合う配列を試します。実際の試し書きと三つの練習で、選んだ配置や道具の理由を確かめます。
こたえ
文字を一字ずつ整えることと、読みやすく配列することを、筆の動きと合わせて考えられるからです。用紙、目的、筆記具を選び、書く速さも試します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 用紙全体 | 題と本文、余白の位置を決める |
| 書く速さ | 字形と間隔を確かめながら試す |
| 毛筆の穂先 | 一画の終わりから次への動きを見る |
| 筆記具 | 案内と記録の用途に合う物を選ぶ |
わけを考えよう
案内の紙全体を思い描く・大きさと余白を組にする
学習内容を整理すると、文字の大きさと配列は用紙全体との関係で考え、書く速さは書く場面に応じて選びます。毛筆では、一つの画の中の動きに加え、次の画や文字へ移る穂先の動きを意識します。筆記具は目的に応じて選び、形状や材質などの特徴を生かします。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。ここでは、自作の作品案内「紙の町を見に来てください」を書く場面を考えます。紙へ題名、作品の説明、見る場所を入れるとします。まず空の紙を見て、どの部分に何を置くかを軽く示します。題名と本文の文字の大きさを比べ、読む人が先に見る情報を考えます。一字の形を整える活動と、紙全体で文字を配列する活動を結び付けることが、案内を読みやすく書く手掛かりになります。 題名を大きくするなら、題名の上下にどれくらい余白を取るかも考えます。本文が紙の端に近付く場合は、行の位置や文字の大きさを選び直せます。文字の大小、行と行の間、紙の端の余白を一緒に見ると、配列の工夫を説明できます。たとえば「題名を先に見付けられるよう大きくし、その下に説明をまとめた」と、自分が選んだ理由を言葉にしてみましょう。

仮名と漢字の大きさを比べる・速さを変えて試し書きする
「紙の町」のように漢字と仮名が混じる言葉を書きます。見本と照らしながら、文字の中心、横の広がり、文字どうしの間隔を観察します。三文字を同じ四角の中へ置く方法と、文字の形に合わせて大きさや空間を調整する方法を試せます。自分が書いた一行を離れて見ると、文字のまとまりや行の中心が分かります。細部と行全体を行き来して見直しましょう。 短い説明を、まず字形を確かめながら書き、次に、記録を取る場面を思い浮かべて少し速く書きます。これは、自分に合う速さを調べる試し書きです。両方を読み返し、文字の形、間隔、必要な内容が読めるかを比べます。「少し速めても行の中心をそろえられた」「この部分は丁寧に書くと区別しやすい」など、自分が観察した結果を記録します。
毛筆は穂先の動きを見る・点画のつながりを意識する
毛筆では、筆の先の部分を穂先といいます。先生や見本の筆運びを見ながら、穂先が紙へ触れる位置、動く向き、紙から離れるところへ注目します。ここでは、練習する文字を見本から一字選び、一画ずつ筆の動きを確かめましょう。線の形を目で見て、自分の手がどちらへ動いたかも言葉にすると、筆運びと書かれた線の関係を捉えられます。 点画は、文字を作る点や線のことです。一画を書き終えた後、次の画の書き始めへ穂先をどう動かすかを考えます。紙から穂先が離れて移る動きも、次の画の位置を決める手掛かりになります。見本の筆順に沿って、一画の終わりと次の始めを追います。点画のつながりを意識することと、画どうしを紙の上で接続させることは分けて捉え、見本の字形に合う筆運びを試します。
用途と筆記具を結び付ける・自分の観察を根拠にする
目的に合う筆記具を選ぶため、鉛筆、ペン、毛筆など、用意できる物の特徴を試し書きで調べます。消して配置を考え直す下書き、残して読む案内、穂先の動きを学ぶ練習では、注目する点が違います。線の太さ、紙に書いた感じ、書き直す方法を観察し、「下書きは配置を調整したいので鉛筆を選んだ」のように、目的と選んだ理由を組にして説明します。 同じ種類の筆記具でも、紙や道具の違いで書いた感じが変わることを、実物を使って確かめられます。使える道具を短い語で試し、線の太さと読み取りやすさを記録しましょう。ここで書くのは自分の試し書きの観察です。どの道具も一つの用途だけに決めるより、今回の紙と目的で何が役立つかを考えます。友達の観察と比べると、選び方の理由をさらに具体的にできます。
配置と筆運びを別々に振り返る・用途を変えて応用する
完成した案内を見て、紙全体では題名と本文の位置、行の間、余白を確かめます。毛筆の練習では、穂先の移り方と点画の位置を見直します。書く速さを試した記録では、読める文字の形と、必要な内容を残せたかを見ます。振り返る観点を分けると、次に改善するところが選べます。「本文を少し下げる」「次の画へ動く方向を確かめる」など、具体的な行動へつなげましょう。 作品案内で考えた配置を、持ち物のメモに変えて使ってみます。メモは手元で必要な内容をすぐ読み返す目的なので、題名の大きさや行の並べ方を選び直せます。短い時間で書く場合も、項目の区切りと文字の判別を大切にしましょう。読む人、置く場所、読む時期を考え、紙全体の使い方と筆記具、書く速さを選ぶ練習へ広げられます。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。」とあります。
もっと知りたい人へ
書写で文字の位置や大きさを考える方法は、発表の資料や掲示を作るときにも使えます。実物の試し書きを残し、自分が選んだ配列と筆記具の理由を説明しましょう。この学びを、中学校の目的に応じて楷書や行書を選んで書く学習から、高校の「現代の国語」で中学校の書写と関連付けて効果的に文字を書く学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
案内の題名を大きくしたとき、紙全体で合わせて考えたいことを一つ書きましょう。
こたえを見る
例:題名と本文の間の余白。
文字の大きさと配列を、用紙全体の関係で考えます。
問題2
毛筆で一画の終わりから次の書き始めまで、どこに注目して筆を動かしますか。
こたえを見る
穂先の向きと移る位置。
点画のつながりを、穂先の動きとして確かめます。
問題3
配置を何度も調整する下書きに鉛筆を選ぶ理由を、この目的に合わせて書きましょう。
こたえを見る
例:消して位置を変えながら考えられるから。
筆記具の特徴を、使う目的と結び付けて説明します。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
書いた文や記録を読み返し、本文の例と比べて、選んだ理由を説明します。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (3)エ(ア)・(イ)・(ウ)(「穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF134頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF135頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF35頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF37頁