なぜ文字の由来と働きを一緒に調べるの?

小5国語で、仮名と漢字の由来や特質を公的資料で確かめます。漢字の音を使った表記と仮名への変化を読み、音を表す働きと意味を示す働きを整理します。自作の表記例と三つの練習で、調べた内容を説明します。
こたえ
形の変化と文字が表すものを組にすると、今使っている文字の成り立ちと使い分けを理解できるからです。公的資料の説明を読み、音と意味に注目して整理します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 万葉仮名 | 漢字の音を使って日本語を書き表す |
| 平仮名 | 「波」から「は」への変化を資料で見る |
| 片仮名 | 漢字の一部を使った成り立ちを調べる |
| 今の表記 | 仮名の音と漢字の意味を組み合わせる |
わけを考えよう
漢字の音を使う表記を知る
学習内容を整理すると、平仮名と片仮名は音を表す文字、漢字は意味を表す文字という特質があります。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。奈良文化財研究所の「漢字と仮名で文を書く」は、古代の人々が漢字で日本語を表す工夫を説明しています。漢字の音を使い、一字で一つの音を表す「万葉仮名」という方法を紹介しています。ここでは、漢字を意味で使う場合と、音を使う場合の違いに注目します。資料の例で示す工夫を、自分の整理表では「意味に注目する」「音に注目する」という二つの欄へ分けられます。漢字の字形を使っていても、文の中でどんな役割を担うかを確かめることが、文字の由来を調べる入口になります。昔の資料の表記を読むときは、資料に付いた読みや説明も手掛かりにしましょう。文字の形だけから自分で歴史を決めるより、資料の説明と具体例を組にして記録すると、確かめた範囲を伝えられます。調べる問いは「どんな形か」「何を表すか」「どの文字へつながるか」の三つに分けられます。 奈良文化財研究所 漢字と仮名で文を書くには「漢字の音を使った一字一音の」とあります。

仮名につながる形を調べる
同じ資料は、「波」が平仮名の「は」へ変化したことと、漢字の一部を使って片仮名が作られたことを説明しています。「波」と「は」を並べるときは、由来についての資料の説明を書き添えます。片仮名についても「漢字の一部を使う」という作り方を整理し、個々の字の由来をさらに知りたいときは、字ごとの説明や字形を確かめられる資料へ進みます。由来は、今の文字に至る道筋を調べることです。今の字を自由に変形してみる遊びと、歴史の資料で成り立ちを確かめる学習は、それぞれの目的を示して取り組めます。自分の記録には資料名、URL、確かめた文字、説明の要点を残しましょう。「波からはへの変化」「漢字の一部を使う片仮名」のように、二つの情報を別々にまとめると、由来の共通点と違う点を見渡せます。どちらも漢字と関わる文字の工夫として捉えられます。 奈良文化財研究所 漢字と仮名で文を書くには「漢字の一部を使って片仮名が作られるようになり」とあります。
音を表す働きと意味を見る
文部科学省の国語編の解説では、平仮名や片仮名を表音文字、漢字を表意文字として捉える特質を示しています。表音は音を表すこと、表意は意味を示すことです。自作の例「はな」と「花」を比べましょう。「はな」は音を示し、「花」は、その言葉の意味を捉える手掛かりを加えます。「はなをみる」と「花を見る」を並べ、どの文字から言葉のまとまりや意味を見付けたかを説明できます。また「山」を「やま」と読む例と、「登山」で「サン」と読む例を比べます。解説は漢字に原則として音と訓の読み方があることも整理しています。音読みと訓読みを、覚えた例の読みと組にすると、同じ漢字が文や語の中でどう働くかを捉えられます。由来を調べた後、日常の文に戻って役割を観察すると、歴史の知識を文字の使い方と結び付けられます。 文部科学省 国語編解説には「表音文字としての平仮名や片仮名,表意文字としての漢字の特質」とあります。
今の文章で特質を生かす
表記(文字で書き表すこと)の活動として、自作の案内「山の花を見る会」を書きます。「山」「花」「見る」の意味を捉える部分と、「の」「を」に当たる言葉の関係を示す部分へ目を向けます。案内を初めて読む子どもへ渡すなら、その子が読める文字や説明の詳しさも考えられます。漢字仮名交じりの文を声に出し、同じ内容を平仮名で書いた文と並べ、見付けやすい言葉や読みやすさを自分の観察として記録しましょう。文字の歴史について確かめた説明と、自分が読んで感じたことを分けて書くと、根拠と感想の両方が伝わります。調べ学習のまとめは「由来の具体例」「音や意味の特質」「今の文で試したこと」の順にできます。次に別の字の由来を調べたいときも、資料の説明を読み、字形と働きを対応させ、短い記録へまとめる方法を使えます。漢字そのものの成り立ちも確かめます。文化庁に掲載された国語審議会の歴史的な資料は、ものの形を基にした象形の例に山や川を挙げ、銅は金属を示す金偏と音を示す同を組み合わせる形声として説明しています。文化庁「漢字はどのやうにして作られたか」象形・形声の項で確認します。自分の整理表に「山・形」「銅・意味と音」と書き、字形を作る工夫と、漢字の音を借りて仮名へつなぐ工夫を並べて説明しましょう。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校で時間による言葉の変化を学ぶときも、資料と今の使い方を結ぶ方法が役立ちます。古い文字の資料を読む学習へ進むと、音や意味を伝えるための工夫をさらにたどれます。この学びを、中学校の時間による言葉の変化を理解する学習から、高校の「言語文化」で文字と言葉の変化や古典と現代のつながりを考える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
万葉仮名の説明では、漢字の何を使って日本語を書き表していますか。
こたえを見る
音。
資料は漢字の音を使う一字一音の表記として説明しています。
問題2
奈良文化財研究所の解説にある、平仮名「は」につながる漢字は何ですか。
こたえを見る
波。
資料が示した文字の変化を確認します。
問題3
自作例「はな」と「花」で、漢字を使うと加わる手掛かりを説明しましょう。
こたえを見る
例:「花」と書くと、音に加えて言葉の意味を捉える手掛かりが加わる。
仮名の音を表す特質と漢字の意味を示す特質を比べます。
よくある質問
一人でどう振り返る?
本文の具体例と自分の説明を並べ、どの言葉を根拠に考えたかを確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (3)ウ(「仮名及び漢字の由来,特質などについて理解すること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 奈良文化財研究所 漢字と仮名で文を書く
- 文部科学省 国語編解説 本文129頁・PDF133頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文化庁 国語審議会資料