なぜ言葉は地域と時代を合わせて調べるの?

小5国語で、語句の由来、時代や世代による言葉の違い、共通語と方言を学びます。公的な解説のとんぼの呼び方を使い、今と昔の情報を区別します。聞き取りの整理方法を考え、三つの練習で資料に合う説明を作ります。
こたえ
今の地域による違いと、昔からの変化を分けて捉えると、言葉の由来や使われ方をたどれるからです。資料の時期と、誰がどんな場面で使う言葉かを記録します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 地域による違い | 同じ物をどんな言葉で呼ぶか |
| 時間による変化 | 古い言葉と新しい言葉の関係 |
| 世代による違い | 年齢の違う人の使い方を比べる |
| 共通語 | 方言の違いをこえて通じ合う言葉 |
わけを考えよう
方言と共通語の違いを考える・資料のとんぼの呼び方を読む
学習内容を整理すると、言葉の世代による違いを調べるときは、使う場面や相手も考えます。共通語と方言は比べて、それぞれの特質やよさと使う場面を考えます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。方言は、地域による言葉の違いに注目する言葉です。共通語は、日本語の中では、方言の違いをこえて互いに通じ合うために使う言葉を指します。国立国語研究所の解説を読み、二つの役割を考えましょう。同じ相手とも、地元の話を親しくする場面や、広い地域の人に案内する場面を考えられます。相手に内容が届くことを目的に、言い方を選ぶことができます。 国立国語研究所「共通語」と「標準語」の解説には「方言の違いをこえて互いに通じ合うことば」とあります。 国立国語研究所の解説は、『日本言語地図』の調査資料を使い、とんぼの呼び方に「トンボ」類と「アケズ」類があることを示しています。ここでは、資料に記録された呼び方として比べます。「類」は、似た言い方をまとめた仲間のことです。呼び方の違いを読むときは、同じ物を指す言葉を比べているか、資料に記録された形が何かを先に確かめます。 国立国語研究所 方言の成り立ちの解説には「全国でどのように言うか見てみましょう。」とあります。

語句の由来を解説で確かめる・地域の違いと時間の違いを分ける
同じ解説では、アケズ類は古い「あきづ」に由来すると考えられる、と説明されています。また「とんばう」という言葉が京都に現れ、広がったものがトンボ類と考えられる、と述べています。由来は、言葉がどこから来たかをたどることです。ここでは研究の説明として「考えられる」という言い方を保ちます。似た音を見付けた後、資料の根拠と説明を読むことで、由来を調べられます。 国立国語研究所 方言の成り立ちの解説には「由来すると考えられています。」とあります。 「トンボ類とアケズ類が各地にある」は、地域を比べた情報です。「あきづとアケズ類が関係すると考えられる」は、古い言葉との関係を説明する情報です。紙を二つに分け、地域の欄と時間の欄へ書きます。二つの欄を結ぶと、今の地域差を、言葉が広まった過程と合わせて考えられます。資料の説明が示す範囲を保って、どの違いを見ているかを確かめましょう。
資料の時期を記録する・世代の違いを調べる質問を作る
調査資料は、調べたときに記録された言葉を示しています。この解説は、以前の刊行物を基に公開されたものと案内されています。現在の自分の住む地域でどう使われているかを知るには、今の使い方を別に確かめられます。資料名、確認した日、調査時期について分かったことを記録しましょう。昔の資料の情報と、新しく聞いた情報を、同じ時点の記録として扱うことを避けて整理します。 世代は、生まれ育った時期の違いに注目する見方です。身近な大人と子どもへ、同じ物をどのように呼ぶか尋ねる計画を作ります。「子どものころは何と呼びましたか」「今は何と呼びますか」「どんな相手と使いますか」と聞くと、昔と今、相手による使い方を分けて記録できます。まず協力してもらえるかを尋ね、個人の実名を教材の記録へ載せず、使った言葉と場面に注目します。
自作の聞き取り例を分類する・一人の答えと全体の傾向を分ける
ここからは分類練習のための架空の記録です。「ある大人は、家で使う呼び方と学校で使っていた呼び方を教えた」「ある子どもは、友達に説明するときには共通語を使うと話した」とします。前者は場面の違い、後者は相手へ説明する目的に注目しています。この例を実際の地域や世代の調査結果と分け、記録をどう整理するかを考える練習として使いましょう。 聞き取りで分かるのは、まず、その人が教えてくれた使い方です。「この人はこの場面で使う」とまとめれば、聞いた範囲に合っています。地域や世代全体の傾向を知りたいときは、複数の記録や調査資料へ進みます。年齢以外にも、住んだ場所、相手、目的などが使い方に関わる可能性を考えられます。違いの理由を考えたら、次に確かめたい質問も添えましょう。
同じ内容を相手に合わせて表す・調べた結果を短くまとめる
聞いた方言を紹介するときは、言葉と、その意味を共通語で説明した文を並べる方法があります。地元の呼び方を伝えることと、広い地域の人が意味をつかむことを、同じ紹介の中で行えます。言葉には、地域の暮らしや人のつながりを考える手掛かりもあります。紹介する相手がその言葉を知っているかを確かめ、必要な説明を選んで、互いの言葉を学ぶやり取りへつなげます。 まとめは「調べた資料」「資料で分かったこと」「自分が次に調べたいこと」の順に作ります。たとえば、アケズ類の由来についての解説を読み、自分の地域の今の呼び方を知りたいと考えた、と書けます。資料に書かれた説明と自分の関心が分かれています。文字の由来も、音が似ていることだけで判断するより、資料を探して説明を確かめる方法で調べられます。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「語句の由来などに関心をもつとともに,」とあります。
もっと知りたい人へ
言葉の由来を紹介するときは、資料の説明が確かな記録か、研究で考えられる関係かを読み分けましょう。自分の地域の言葉を調べる活動と、公的な言語地図を読む活動を組み合わせられます。この学びを、中学校の時間による言葉の変化を理解する学習から、高校の「言語文化」で時代や地域による文字と言葉の変化を考える学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
日本語の共通語は、どんな違いをこえて通じ合うための言葉ですか。
こたえを見る
方言の違い。
地域による言葉の違いをこえて通じ合う役割に注目します。
問題2
解説では、アケズ類はどの古い言葉に由来すると考えられていますか。
こたえを見る
あきづ。
解説に示された研究の説明を、由来をたどる情報として読みます。
問題3
一人に呼び方を聞いた結果を、分かった範囲に合わせて一文でまとめるにはどう書けますか。
こたえを見る
例:聞いた人は、家ではこの呼び方を使うと話した。
聞いた人と場面を明示してまとめ、地域全体の結果とは区別します。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
書いた文や記録を読み返し、本文の例と比べて、選んだ理由を説明します。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (3)ウ(「語句の由来などに関心をもつとともに,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 国立国語研究所「共通語」と「標準語」の解説
- 国立国語研究所 方言の成り立ちの解説
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF132頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF38頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF38頁