なぜ話を聞いた後に自分の案と比べるの?

小5国語で、知りたいことを決めて聞き、話し手の考えと自分の案を比べる方法を学びます。自作の花壇係の説明を使い、聞いた内容と自分の考えを別々に記録します。三つの練習で質問の作り方と考えを更新する道筋を確かめます。
こたえ
自分の案と比べると、相手の話から取り入れる点や、さらに確かめる点が見付かるからです。聞く目的を決め、相手の考えと自分の考えをそれぞれ記録してからまとめます。
表でみる
| 比べる観点 | 自分の初めの案 | 相手の説明 |
|---|---|---|
| 水やりの分担 | 一週間同じ係が担当 | 二人で一日ごとに交代 |
| 考えた理由 | 予定を覚えやすい | 予定を相談して調整しやすい |
| 確かめたいこと | 交代の知らせ方 | 担当した日の記録方法 |
わけを考えよう
何のために聞くかを決める
学習内容を整理すると、聞くときは、話し手が伝えたいことと、自分が求める情報を捉え、自分の考えと共通点や相違点を比べます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。話を聞くときは、自分が知りたいことを先に言葉にすると、注意を向ける場所が決まります。ここでは花壇の水やりの担当を相談する自作の場面を考えます。自分は一週間同じ係が担当する案を考えています。説明を聞く目的は、二人で交代する案の進め方を知り、自分の案と比べて担当の決め方を考えることです。 相手は「二人で一日ごとに交代すると、予定を相談して調整しやすい」と説明しました。聞く人は、交代する方法とその理由を一組で受け取ります。単に「交代する案」と書く方法から進めて、「どのようなよさを考えてその方法を選んだか」を記録すると、相手が伝えたい内容の中心に近付けます。

相手の考えと自分の考えを分けて書く
メモの左に聞いた内容、右に自分の考えを書く欄を作ります。左には「一日ごとに交代」「予定を相談できる」、右には「自分の一週間案は予定を覚えやすい」と書きます。相手が話したことと、自分が思い付いたことの出どころを分けると、後で相手の案を説明するときにも言葉を選びやすくなります。 聞いた内容を確かめるには、「二人で予定を相談することを大切にしているのですね」と返せます。相手が「特に、担当日に予定があるときの調整を考えています」と補えば、メモに条件を加えます。相手の説明を自分の言葉に置き換え、理解した内容を返すことで、話し手が考えている点をさらに確かめられます。
同じ観点で案を比べる
二つの案を比べるときは、担当の長さ、予定の調整、知らせ方など、同じ観点を選びます。自分の案のよさを「覚えやすい」、相手の案のよさを「二人で行う」と書くだけでは、何を比べているかが広がります。「予定を覚える方法」「予定を変える方法」と分けて、両方の案について考えると違いと共通点を整理できます。 予定を覚える観点なら、一週間案では週の係を掲示する方法が考えられ、交代案では担当の日を表にする方法が考えられます。予定を調整する観点なら、どちらも相談する相手と知らせ方を決める必要があります。相手の話で触れられた観点を使い、自分の案の説明も補うと、二つの案を詳しく比べられます。
知りたい条件を質問する
聞いた後の質問は、自分が判断するために知りたい点へ向けます。「交代した日は、誰が担当したかをどう記録しますか」「担当を変えるとき、いつ相談しますか」と尋ねられます。まず、相手が説明した内容を押さえ、そこに加えたい情報を一つずつ尋ねると、質問を受ける人もどこを説明するか考えやすくなります。 相手が「担当表に印を付け、変更は前の日に二人で確認する」と答えたら、その方法をメモへ加えます。質問の答えによって、交代案の具体的な進め方が分かります。さらに、自分の一週間案にも担当表を取り入れられるか考えます。質問から得た情報は、相手の案を理解し、自分の案を整える材料になります。
取り入れる点を理由とともにまとめる
聞く前と聞いた後の考えを並べます。「初めは一週間同じ係がよいと思った。相手の説明で、予定を相談して調整する大切さに気付いた。そこで、担当を決める方法に加え、担当表と変更の知らせ方を決めたい」と書けます。どの案を選ぶ場合も、相手の話の何が自分の考えを動かしたかを添えると、聞く学習の道筋が見えます。 一人で練習するときは、自分で二つの短い説明を作り、片方を相手の話として読みます。初めの考えを一文書いてから、相手の説明の方法と理由を抜き出し、共通する観点で比べます。最後に「取り入れたい点」「理由」「次に確かめたい点」をそれぞれ書きましょう。聞いた言葉から、自分の判断を作る練習になります。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「話し手の考えと比較しながら,自分の考えをまとめること。」とあります。
もっと知りたい人へ
別の人の説明を聞くと、比べる観点が増えることがあるので、聞く目的を保ちながら、新しく得た条件をメモへ加え、考えをまとめ直しましょう。調べ学習のインタビューでも、聞いたことと自分の考えを分ける方法が使えるので、相手の話を説明する文と、自分の意見を書く文を区別して報告できます。この学びを、中学校の記録や質問を通して考えをまとめる学習から、高校の「現代の国語」で聞いた情報や論の展開を検討する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
相手が一日ごとの交代を提案した理由を、本文から書きましょう。
こたえを見る
予定を相談して調整しやすいから。
方法だけでなく、その方法を選ぶ理由も受け取ります。
問題2
交代した日の担当を確かめるための質問を作りましょう。
こたえを見る
交代した日は、誰が担当したかをどう記録しますか。
判断に必要な情報を具体的に尋ねます。
問題3
自分の一週間案を保ちながら、相手の説明から取り入れられる方法を一つ書きましょう。
こたえを見る
担当表に印を付け、予定を変えるときの相談の仕方を決める。
取り入れる点は、担当期間と別の観点からも選べます。
よくある質問
聞いた後は相手の案へ変えるの?
相手の案と自分の案を同じ観点で比べ、目的に合う方法を理由とともに選びます。自分の案を補うまとめ方もできます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 A 話すこと・聞くこと (1)エ(「話し手の考えと比較しながら,自分の考えをまとめること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF139頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁