なぜお願いは相手と場面に合わせるの?

小5国語で、日常の敬語と相手とのつながり、話し言葉と書き言葉の違いを学びます。自作の図書室への依頼を使い、誰の動作を述べるかを確かめます。口頭と依頼メモを比べ、三つの練習で相手に伝わる表現を考えます。
こたえ
相手の立場と、その場で必要な情報に合う言葉を選ぶと、互いに相談しやすくなるからです。誰の動作を述べるかと、何をお願いするかを確かめます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 先生が話す | 先生がお話しになる |
| 私が先生に尋ねる | 私が先生に伺う |
| 本を借りる | 本を借ります |
| これを使いたいです | 紹介に使う本を借りたいです |
わけを考えよう
お願いする目的を具体的にする・誰の動作かを確かめる
学習内容を整理すると、日常の敬語は、相手と自分の関係や場面に応じて使います。話し言葉と書き言葉の特質を考えて、相手へ届く説明を選びます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。ここでは、学級で本の紹介を行うため、図書室の先生へ本の貸出しを相談する自作の場面を使います。まず、使いたい本、使う目的、相談したい日時を整理します。「本を借りたいです」から、「学級の紹介に使う本を借りたいです」へ説明を加えると、相手は用途を踏まえて相談できます。敬語を選ぶことと、必要な情報をそろえることを一緒に考えましょう。 「先生が話す」と「私が先生に尋ねる」では、動作をする人が違います。先生の動作を敬って述べるなら、「先生がお話しになる」と表せます。自分が先生へ尋ねる動作なら、「先生に伺う」と表せます。二つを使い分けるため、敬語へ変える前の短い文を作り、動作をする人と、その動作が向かう人を書き出します。言葉の形と人の関係を組にして考えます。

文末の丁寧さを選ぶ・相手が応じやすい問いを添える
「本を借りる」を「本を借ります」、「紹介用の本だ」を「紹介用の本です」とすると、話や文章の相手に対して丁寧に述べられます。「です」「ます」を使う丁寧語は、動作をする人に応じて形を選ぶ敬語と、働きを比べられます。まず丁寧な文末でお願いを作り、先生の動作、自分の動作を表す部分を確かめると、文全体を順に整えられます。 文化庁「敬語の基本」には「話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。」とあります。 依頼は、相手の都合も聞きながら進める相談です。「紹介に使う本を借りたいです。貸出しについて、いつ相談できますか」と伝えると、先生は相談する時間を答えられます。紹介の日にちを伝える言葉も加えれば、準備に必要な条件を共有できます。自分の希望と、相手に確かめたいことを分けると、一方的な命令の形から、互いに予定を決める形へ整えられます。
口頭ならその場の反応を使う・文字なら情報を言葉で残す
話すときは、相手の表情や返事を受けて説明を補えます。手元の本を示しながら「この本を紹介に使いたいです」と話し、先生が用途を尋ねたら、学級で紹介することを加えます。話を始める前に「今、相談してもよろしいですか」と声をかける方法もあります。言葉は、用件を伝える働きに加え、相手と話を始めるきっかけを作る働きも持っています。 依頼メモでは、本を指さす動作やその場でのやり取りを、具体的な言葉に変えます。「この本」は本の題名や特徴、「今度」は紹介の予定日に置き換えると、読む人が用件を捉えられます。ここでは題名を実際の本から選んで、自分のメモへ記入しましょう。宛てる相手、用件、必要な時期、返事を受ける方法を順に書くと、読んだ後の相談につなげられます。
話す文と書く文を比べる・敬語と内容を読み返す
口頭の「この本を来週の紹介で使いたいです」は、その場で指し示した本と、互いの予定を使っています。メモにするなら、「学級の紹介で使う本について相談したいです。紹介は来週の水曜日です」と情報を分けて書けます。実際の予定を記入して完成させましょう。どちらが優れているかを決めるよりも、伝える方法ごとに、相手が知る手掛かりを確かめることが役立ちます。 できた依頼を読み、誰が何をするか、相手に何を尋ねているかを説明します。その後、先生の動作には敬って述べる形、自分の動作には向かう相手を立てる形、文末には相手へ丁寧に述べる形が使われているかを見ます。声に出して読むと、文が長いところで区切りを考えられます。必要な情報を短い文へ分けることも、相手に届くお願いを作る工夫です。
自分の場面で使って慣れる
家や学校で、道具を借りる、説明を尋ねる、見学のお礼を伝える場面を一つ選びます。相手、用件、聞きたいことを整理し、まず口頭の言い方を作ります。次に短いメモへ変え、指し示す言葉を具体的にしましょう。相手や場面が変われば、親しさの表し方や必要な情報も変わります。自分が選んだ言葉の理由を説明し、実際に使った後のやり取りを振り返ります。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。」とあります。
もっと知りたい人へ
敬語の種類は、言葉が誰に向かうかと合わせて調べられます。日常のやり取りから一つの文を選び、動作をする人、動作の向かう人、話を聞く人を整理してみましょう。この学びを、中学校の敬語を理解して話や文章に使う学習から、高校の「現代の国語」で敬意と親しさに配慮して表現する学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
「先生が話す」を、先生の動作を敬って述べる文へ直しましょう。
こたえを見る
例:先生がお話しになる。
動作をする先生を立てる形を選びます。
問題2
自分が先生に質問する文「先生に尋ねます」を、「伺う」を使って直しましょう。
こたえを見る
先生に伺います。
自分から先生へ向かう尋ねる動作を表します。
問題3
図書室への依頼メモで「この本を今度使いたいです」の二つの言葉を具体的にするには、何を書けばよいですか。
こたえを見る
本の題名や特徴と、使う予定日。
紙で読む相手に、本と時期が伝わる情報を残します。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
自分の文で、選んだ語句と理由を説明し、本文の例と比べます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 知識及び技能 (1)キ・ア・イ(「日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文化庁「敬語の基本」
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF126頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF121頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF120頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF35頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF35頁