なぜ意見文の材料は役割で分けるの?

小5国語で、書く目的に応じて話題を選び、材料を分類して関係付ける方法を学びます。自作の道具利用の意見文を使い、観察・経験・考えの役割を整理します。材料から主張へ線を結び、三つの練習で選ぶ理由を説明します。
こたえ
材料の役割を分け、伝えたい考えと結び付けると、意見文で何を述べるかがはっきりするからです。目的と読み手を決めて、考えを支える材料を選びます。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 目的 | 道具を順番に使う案を相談する |
| 観察 | 使う人が道具の前で待っていた |
| 経験 | 自分の作業の予定が変わった |
| 考え | 順番を書く欄を作りたい |
わけを考えよう
書いた後の場面を決める・書く話題を一つへ絞る
学習内容を整理すると、書く材料は、目的や相手に応じて内容ごとにまとめたり、互いに結び付けたりして、伝えたいことを明らかにします。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。ここでは、学級で使う工作道具の利用について、意見文を書く自作の場面を考えます。目指すのは、使いたい人が道具を順番に使う案を、学級へ提案することです。読み手は同じ学級の友達です。最初に「誰へ、何を伝え、どう相談したいか」を一文で書きます。文章を読んだ後にどんな話し合いへ進みたいかを考えると、材料を選ぶ基準が作れます。 工作道具については、置く場所、使う順番、片付け方、道具の種類など、いろいろな話題があります。今回の目的では「使う順番」に注目します。感じたことや考えたことを紙へ出した後、目的に合う話題へ丸を付けましょう。伝えたいことを絞ると、同じ道具に関する材料でも、どの部分を詳しく書くかを選べます。読み手が何について意見を返せばよいかも明確になります。

材料を集めて区別する・関係する材料を線で結ぶ
分類練習のための自作の材料を使います。「道具の前で待つ人がいた」は観察です。「自分は先に別の作業を進めた」は経験です。「待っている間に次の予定が分かると助かると感じた」は感想です。「順番を書く欄を作りたい」は案です。四つは同じ場面に関わりますが、文章での役割が違います。紙に別の欄を作ると、自分の考えをどの材料で説明するかを選びやすくなります。 「道具の前で待つ人がいた」から「順番を書く欄を作りたい」へ線を引き、「次に使う人が分かると、待ち方を考えられる」と理由を添えます。観察したことだけを並べる方法から、案を選んだ道筋を示す方法へ進んでいます。「自分が別の作業を進めた」という経験は、待つ間の過ごし方を説明する材料にも使えます。一つの材料がどこを支えるか、線の名前を言葉で示しましょう。
材料から言える範囲を考える・読み手の立場で材料を選ぶ
「待つ人がいた」という材料からは、その場面で待つ人を観察したことを伝えられます。毎回の人数や、学級全体の希望を述べたいなら、記録や聞き取りを加えられます。書くことを選ぶときには、持っている材料からどこまで言えるかを考えます。「この場面で待つ人を見たため、順番を知らせる案を考えた」と書けば、観察した範囲と自分の案を保って説明できます。 読み手は道具を使う人です。順番を書く欄を作る案について、「どこに書くのか」「書いた後はどうするのか」「片付ける人は何をすればよいか」を知りたいかもしれません。材料の中から、使う場面と案の動きを説明できるものを選びます。道具を使う人と片付ける人の両方へ目を向けると、同じ材料のどこを詳しくするかも考えられます。読み手の疑問を短い問いにして並べましょう。
自分にとっての意味を考える・短い主張の文を作る
同じ経験を、意見文とは別の目的で書くこともできます。「待っている間に別の作業を進め、計画を変える方法を学んだ」という内容なら、自分の経験の意味を伝える文章になります。今回の意見文では、経験を道具の利用方法の提案へ結び付けます。経験そのものと、そこから何を考えたかを分けると、書く目的に応じて、自分が伝えたい部分を選べます。 分類した材料を見ながら、「工作道具のそばに、使う順番を書く欄を作りたい」と主張の文を作ります。次に「次に使う人が分かると、待っている人が別の作業を考えられるからです」と理由を添えます。ここでは、順番を知らせることと、待ち方を考えることが結び付いています。理由を支える観察と経験を加えると、読み手が考えをたどるための材料がそろいます。
意見を表す言葉を確かめる・選んだ理由を記録して残す
観察には「見た」「記録した」、感想には「感じた」、案には「したい」「提案する」などの言葉を使えます。書いた文を見て、どの役割を表しているかを説明しましょう。「分かると助かる」と考えたことを、実際の全員の感想として示すよりも、「私は助かると考えた」と書くと材料の出どころが伝わります。分類した欄と文章の文を対応させる方法で、書き表し方を確かめられます。 最終的に選んだ材料と、その理由を短く残します。「待つ人を見た記録/順番を知らせる必要を説明するため」「別の作業をした経験/待ち方の例を示すため」のように組にします。材料を集める、分類する、関係付ける、伝えることを選ぶ、という流れを自分で説明できます。別の学校生活の題材でも、読み手と目的を決めて、同じ方法で意見文の準備ができます。 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 第5学年及び第6学年 国語には「感じたことや考えたことなどから書くことを選び,」とあります。
もっと知りたい人へ
同じ材料からも、意見文、報告、経験を振り返る文章を考えられます。目的が変わったら材料の役割も見直し、伝えたい考えを一文で示してから構成へ進みましょう。この学びを、中学校の材料を整理して伝えたいことを明確にする学習から、高校の「現代の国語」で情報の妥当性や信頼性を吟味して書く学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
今回の意見文で、道具について絞った話題は何ですか。
こたえを見る
使う順番。
道具の置場や種類などから、目的に合う話題を選んでいます。
問題2
「待つ人がいた」と「順番を書く欄を作りたい」を、観察と案に分けましょう。
こたえを見る
前者が観察、後者が案。
見た状態と、これから行いたいことを区別します。
問題3
待つ人の観察を、順番を書く欄の提案へ結ぶ理由を一文で書きましょう。
こたえを見る
例:次に使う人が分かると、待っている人が別の作業を考えられるから。
観察と案の間に、案がどのように役立つかを示す道筋を作ります。
よくある質問
学んだことをどう確かめる?
書いた文や記録を読み返し、本文の例と比べて、選んだ理由を説明します。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 B 書くこと (1)ア(「感じたことや考えたことなどから書くことを選び,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF144頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁