なぜ推敲は段落全体から始めるの?

小5国語で、文章全体の構成を見直す推敲と感想の交流を学びます。自作の道具利用の提案を使い、重なる段落をまとめ、冒頭と結論を対応させます。読み手の意見を確かめ、三つの練習で直す理由を言葉にします。
こたえ
段落の役割とつながりを確かめると、伝えたい考えを支える文章へ整えられるからです。読み手の感想も使い、全体、文、語句の順に見直します。
表でみる
| 見るところ | 内容や働き |
|---|---|
| 全体 | 冒頭の提案と最後の相談が対応するか |
| 段落 | 役割の重なる部分をまとめる |
| 文と語句 | 指す内容や言い方を具体的にする |
| 交流 | よいところと読み手の疑問を聞く |
わけを考えよう
下書きの役割を読む
学習内容を整理すると、推敲では、文章全体の一貫性、目的に合う構成、事実と意見の区別などを確かめて整えます。文章を読み合う交流では、構成や展開について具体的な感想を伝え合い、よいところを見付けます。以下で「自作」「架空」と示す場面・数値や活動の提案は、この教材の例です。原文引用は、それぞれの出典にある言葉として読みます。推敲(書いた文章を読み返して整えること)のための自作の下書きを読みます。第一段落「工作道具を使う順番を書く欄を作りたい。次に使う人が分かれば、待つ間に別の作業を進められるからだ。」第二段落「昨日、道具の前で二人が待っていた。使いたい人が順番を知ると助かると思った。」第三段落「昨日は二人が道具を待っていた。次の人が分かるとよいと感じた。」第四段落「これからは工作の時間を長くしたい。」この四つに、提案、観察、同じ観察、最後の考えという役割を書き添えます。読み手は最初に順番を書く案を知り、最後に時間を長くする案を知ります。まず、この文章で一番相談したいことを一文にしましょう。今回は「使う順番を書く欄を作ること」です。その一文を基準に、各段落がどこを支えているかを見ると、見直す場所を具体的に選べます。

重なりと結論を整える
第二段落と第三段落には、昨日二人が待っていたという同じ観察があります。二つを並べて、どちらにどんな役割を残すかを考えましょう。「昨日、道具の前で二人が待っていた。順番が分かると、別の作業を選びやすいと考えた。」と一つにまとめる案が作れます。観察した場面と、そこから考えたことの両方が残ります。第四段落は「順番を書く欄をどこに置くか、学級で相談したい。」にすると、最初の案を実行するための相談につながります。工作の時間についての意見は、別の提案の材料として控えに残せます。推敲では、文章の長さと、今回の目的に合う役割のまとまりを整えます。段落を動かしたりまとめたりした後は、最初から読み、提案、観察と理由、相談という流れを確かめます。
読み手の感想を具体的に聞く
この教材で作った読み手の感想は「待つ場面が書かれていて理由が分かった。欄をどこに置くかも知りたい」です。前半は文章のよいところ、後半は読み手がさらに知りたいことです。書き手は「観察から理由が伝わった」というよさを残し、「道具の箱のそばに欄を置く案です」と場所の説明を補えます。実際に交流するときは、読んだ人に、考えが伝わった文と、詳しく知りたい部分を指してもらいましょう。書き手は、どんな意味で質問したかを聞き、自分の目的と照らして採用する意見を選びます。感想をすべて同じように採用するより、今回の考えを伝えるために何が役立つかを説明すると、直す理由が明確になります。一人で学ぶ場合は、読み手になったつもりで「何の案か」「なぜか」「どう相談するか」という問いを下書きの横へ書けます。
文と語句へ進んで振り返る
全体を整えたら、文と語句を見ます。「それをそこへ置く」という文なら、何をどこへ置くかを確かめ、「順番を書く欄を道具の箱のそばへ置く」と具体的にします。「みんなが助かる」と書く場合は、誰から聞いた感想か、書き手の考えかを確かめ、今回なら「待っている人が別の作業を考えやすくなると思う」と自分の考えを示せます。声に出して読み、文の区切りと、前の文を受ける言葉も確かめましょう。最後に、変更前と変更後を並べ、「観察の重なりをまとめた」「最後を最初の案に対応させた」「場所を具体的にした」と記録します。交流で分かった自分の文章のよさも残します。別の意見文や経験文を書くときには、同じように、目的の一文、段落の役割、読み手の感想、言葉の順で見直せます。自分が選んだ直し方を説明できると、次の文章でも生かせます。 文部科学省 小学校学習指導要領 国語 第5学年及び第6学年には「文章全体の構成や書き表し方などに着目して,」とあります。
もっと知りたい人へ
中学校で論の展開や表現を見直すときも、段落の役割を確かめる方法が使えます。感想を交換した記録を残すと、読み手に伝わったよさを次の文章へ生かせます。この学びを、中学校の読み手の助言を踏まえて文章のよさや改善点を見付ける学習から、高校の「現代の国語」で文章全体を整え特長や課題を捉え直す学習へつなぐ見通しが立てられます(対応する学習事項を踏まえた、この教材の編集上の見通し)。
やってみよう
問題1
下書きで、同じ昨日の観察を述べている段落はどれですか。
こたえを見る
第二段落と第三段落。
二つとも、道具の前で二人が待っていた場面を述べています。
問題2
順番を書く欄の提案に対応する最後の相談を一文で書きましょう。
こたえを見る
例:順番を書く欄をどこに置くか、学級で相談したい。
最初の提案を具体化する相談にすると、全体がつながります。
問題3
読み手の「待つ場面が書かれていて理由が分かった」という感想から、残したいよさを書きましょう。
こたえを見る
例:観察した場面を使って提案の理由を伝えているところ。
感想がどの文の働きを認めているかを捉えます。
よくある質問
一人でどう振り返る?
本文の具体例と自分の説明を並べ、どの言葉を根拠に考えたかを確かめます。
出典
- 学習指導要領:第5学年及び第6学年 B 書くこと (1)オ・カ(「文章全体の構成や書き表し方などに着目して,」)
- 文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示) 国語 第5学年及び第6学年
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF147頁
- 文部科学省 小学校国語編解説 PDF148頁
- 文部科学省 中学校学習指導要領 国語 PDF33頁
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 国語 PDF36頁